仮に解散総選挙で自民党が大勝したら、為替、金利、株価はどう動く?(Deep Research)

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本記事は、高市政権が解散総選挙に関する報道があった後の2026年1月18日にDeep Reserchによって分析した結果を表示しています。

前提と仮説設定

高市早苗首相が衆議院を解散し、与党・自民党が圧勝して政権基盤が安定したと仮定します。
このシナリオでは、高市政権の経済政策スタンスとして、大きく次の2つが想定されます。

  • 成長戦略を前面に出し、積極財政・金融緩和を継続する路線
  • 財政健全化を重視し、増税や歳出抑制を行う引き締め路線

それぞれの場合について、市場がどう評価し、中長期(数年スパン)で
①為替(対米ドル)
②長期金利(日本国債利回り)
③株価(日経平均)
がどのような方向性を取りやすいかを仮説ベースで整理します。


為替(対米ドル)への中長期的影響

積極財政・成長戦略路線の場合

高市政権が大規模な財政出動や金融緩和の継続を打ち出した場合、市場ではインフレ率の上振れや日米金利差の拡大が意識され、円安圧力が強まりやすくなります。


実際、解散総選挙や政権安定が意識された局面では、「高市トレード」と呼ばれる円売り・株買いの思惑が広がり、ドル円は一時160円水準を意識する動きも見られました。

財政拡張は国債増発を伴いやすく、政府債務の拡大は中長期的に円の実質価値を押し下げる要因になりやすいとされています。
そのため、積極財政路線が続く限り、為替は「円安基調が維持されやすい」というのが基本シナリオです。

もっとも、急激な円安が進行した場合には、為替介入や金融政策の修正といった政策対応が入りやすく、160円を大きく超える局面では当局の動向が強く意識される展開となります。

財政健全化・引き締め路線の場合

一方で、増税や歳出削減を含む財政健全化路線を取った場合、円相場は相対的に底堅く推移しやすくなります。
財政規律を重視する姿勢は、日本国債の信認向上につながり、過度な円安進行を抑制する材料として評価されやすいためです。

また、引き締め策によって内需が鈍化すれば輸入需要も抑制され、為替面では円安圧力が和らぐ方向に働きます。
景気減速局面ではリスク回避姿勢が強まり、安全通貨として円が買われる場面も想定されます。

ただし、日本の低金利構造が続く前提では、急激な円高というより「円安に歯止めがかかる」「レンジ内での推移が続く」といったイメージが現実的です。


金利(日本の長期金利)への中長期的影響

積極財政・成長戦略路線の場合

積極財政が続く場合、日本の長期金利には上昇圧力がかかりやすくなります。
大規模な経済対策による国債増発や、インフレ期待の高まりが、国債利回りの上昇要因となるためです。

実際に、高市政権発足後には、財政悪化への警戒感から10年国債利回りが急上昇し、株・債券・円が同時に売られる「トリプル安」が発生した局面もありました。
これは、市場が短期的な景気刺激よりも、中長期的な財政持続性を強く意識した結果といえます。

日本銀行が長期金利を抑制する政策を続ける可能性はありますが、インフレ率が高止まりした場合、いずれ政策修正が意識され、長期金利は緩やかな上昇トレンドに入りやすいと考えられます。

財政健全化・引き締め路線の場合

財政再建を優先する場合、長期金利の上昇圧力は相対的に弱まります。
国債発行の抑制や財政改善が見込まれれば、投資家が求めるリスクプレミアムが低下し、金利は低位で安定しやすくなります。

過去の消費増税局面では、景気後退と物価下押し圧力が強まり、結果として長期金利は歴史的な低水準まで低下しました。
同様に、財政健全化路線ではインフレ期待が沈静化し、長期金利は1%前後の水準で推移する可能性が高まります。


株価(日経平均株価)への中長期的影響

積極財政・成長戦略路線の場合

市場は基本的に成長重視の政策を好感しやすく、株価には中長期的にプラスに働きやすいと考えられます。
円安進行は輸出企業の収益を押し上げ、企業業績の改善期待が株価を下支えします。

実際、高市氏がアベノミクス路線の継承を示唆した局面では、日本株に強気な見方が広がり、日経平均は過去最高値を更新しました。
一部では、長期政権と成長政策が続けば、日本株の上昇トレンドがさらに継続するとの見方もあります。

ただし、財政拡張が過度になると、インフレ加速や金利急騰への懸念が強まり、株式市場にとって逆風となるリスクもあります。
市場が評価するのは、あくまで「成長重視と財政規律のバランスが取れた政策」である点には注意が必要です。

財政健全化・引き締め路線の場合

増税や歳出削減を伴う引き締め政策は、短期的には株式市場にネガティブに受け止められやすい傾向があります。
過去にも、増税観測が強まった局面で日経平均が急落する事例があり、市場は成長期待の後退に敏感に反応します。

中長期的にも、可処分所得の減少や消費の鈍化が企業収益の重しとなり、株価の上昇余地は限定的になりやすいと考えられます。
特に海外投資家の比率が高い日本株市場では、成長ストーリーの弱まりが資金流出につながる可能性があります。


まとめ

仮定シナリオとして自民党が圧勝し、高市政権が安定した場合、市場は政策スタンスを明確に評価します。

  • 成長重視・積極財政の場合
    円安・金利上昇・株高が中長期の基本シナリオ
  • 財政健全化・引き締めの場合
    円安に歯止め、金利低位安定、株価は相対的に重たい展開

いずれの路線でも、市場の信認を維持できるかどうかが中長期の安定性を左右します。
政策の方向性そのもの以上に、「市場との対話」や「バランス感覚」が問われる局面になると言えるでしょう。

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