読売新聞によれば、トラストレンディングを運営するソーシャルレンディング業者「エーアイトラスト」に対して、出資の説明に虚偽があったとして、投資家143人と2法人が計約3億4740万円の損害賠償を求める集団訴訟を起こしたと報道しました。
読売新聞:「虚偽の説明で損害」ソーシャルレンディング業者を提訴
トラストレンディングは2018年12月、2019年2月に、金融庁から行政処分が下っていました。
案件の状況
8月1日にはトラストレンディングにて、案件ごとの融資実行状況が公開されました。
トラストレンディング:トラストレンディングで運用中の各ファンドの状況
これによれば、以下の案件が実際に発注が行われていないということです。
高速道路工事ファンド(何れの高速道路工事も行われていない。)
除染事業ファンド(除染事業が行われていない。)
公共事業コンサルファンド(コンサルティング業務が行われていない。 )
また、以下の案件については、誤解と生じせしめる表現があったということです。
燃料卸売ファンド(年間売上30億円の確証は無かった)
シリーズ運用には注意が必要
ソーシャルレンディングを実行する上で必要になるのは、案件が別れているようで、実は同じ投資先に投資しているというシリーズ合同運用の案件です。
今回の高速道路事業ファンドは、別れていたすべての案件で実際に工事が行われていないという結果になりました。
このような事故による損害を最小限に抑えるためにも、案件の分散ではなく、ファンドの分散が必要と考えられます。
今後のソーシャルレンディングはどうなる?
ソーシャルレンディングは、個人の投資家から出資を募り、事業者に対して投資するクラウドファンディングの一種ですが、似たような虚偽の説明による、事例が相次いでいます。
過去の事例では、みんなのクレジット、ラッキーバンク、maneoグループなどが相次いで虚偽の報告や、投資者保護の法令違反などを行いました。
実際に私も2016年からソーシャルレンディングの複数案件に投資しており、延滞などの損害も発生しています。
一時期は完全に撤退しようかと思いましたが、完全撤退に時間がかかるという理由と、運用中の利益で損失がカバーされ始めたという状況のため、現在も投資を継続しています。
私は、SBIソーシャルレンディング、クラウドバンク、クラウドクレジットの案件を中心に投資を行っています。
たまたまトラストレンディングの案件は投資していませんでしたが、このような事業者リスクが大きくなっているのが現状です。
ソーシャルレンディングはまだまだ成熟していない投資環境といった感じですので、ソーシャルレンディングの案件投資は継続しながら様子を見つつ、ポートフォリオの一部として、ウェイトを上げないように運用していく方針です。