SPYD、HDV、VYMの特徴を比較、結局どれがいい?(構成銘柄、経費率、セクター比率、配当利回り)米国株高配当ETFを比較

SPYD、HDV、VYMの特徴を比較、結局どれがいい?(構成銘柄、経費率、セクター比率、配当利回り)米国株高配当ETFを比較

2020年、コロナショックで、あらゆる銘柄がひどい暴落を受けました。SPYD、HDV、VYMといった、S&P500の銘柄で構成されるこれらの銘柄も当然大きな下落となりましが、下落幅に差が出たことが大きな注目を集めています。

今回はSPYD,VYM,HDVの3銘柄を比較してみたいと思います。

まずは大枠の概要から把握していきます。

なぜこの3銘柄なのか?

米国における高配当ETFでいうと、この3銘柄以外にも、リート(SRET、RWX、IFGLなど)や債権(SJNK、JNKなど)もありますが、あくまでも人気があるのは今回紹介する3銘柄。実際の株式銘柄で構成されている銘柄ということと、ETFの内容がわかりやすいということで、この3銘柄が選ばれているのだと思います。

各銘柄の特徴

文章よりもまずはデータで見たほうがわかりやすいと思いますので、まずはこちらから。3銘柄といいつつ、比較のためにVIGも追加しています。VIGは連続増配ではありますが、高配当とまでは言えないので、ここでは詳しい紹介はしていません。

ティッカー 名称 配当利回り 経費率
SPYD SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF 5.40% 0.07%
HDV iシェアーズ コア米国高配当株 ETF 4.25% 0.08%
VYM バンガード・米国高配当株式ETF 3.78% 0.06%
VIG バンガード・米国増配株式ETF 1.66% 0.06%

どの銘柄も経費率は0.07%前後と、他のETFに比べても圧倒的に低いということは特徴として言えます。利回りについてですが、こちらもSPYDが圧倒的に配当が高いのがわかります。

主観的ではありますが、各ETFの特徴を並べて見ました。

ティッカー 特徴(主観含む) 投資スタイル 投資銘柄数
SPYD 配当利回りのみで選択 均等投資 80
HDV 財務健全性(弱)+配当利回り(強) 時価総額加重平均 75
VYM 財務健全性(強)+配当利回り(弱) 時価総額加重平均 400
VIG 成長性+連続増配+配当利回り(小) 時価総額加重平均 212

ちなみに基準価格(株価)の成長度合いで言うと、下に行くほど株価が伸びています。

純資産額で比較

ティッカー 純資産額 設定日
SPYD 20億ドル 2015/10/21
HDV 53.2億ドル 2011/3/29
VYM 268.1億ドル 2006/11/10
VIG 424.7億ドル 2006/4/21

これでみると、VIGが圧倒的で、高配当の中ではVYMが最も人気のあるETFと言えそうです。ここだけで比較すると、高配当であるほど人気が高いというよりも、基準価格の成長率の方が重視されているように見えます。

SPYD

SPYDは2015年に登場したばかりの新しいETFで、S&P500の高配当上位80銘柄に約1.25%ずつ投資しています。投資セクターとしては不動産に約20%となっています。米国不動産は値動きが激しいことで知られていますので、ややリスクが高いといえるかもしれません。

ファンド名称 SPDR® Portfolio S&P 500® High Dividend ETF
運営会社 ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)
ベンチマーク S&P 500® 高配当指数
銘柄数 80
経費率 0.07%
設定日 2015/10/21
総資産額 20億ドル
配当利回り 5.40%
配当支払月 3,6,9,12

SPYとSPYDは同じような名前のティッカーですが、内容はかなり異なっています。SPYはS&P500の銘柄に連動するのに対して、SPYDは高配当上位80銘柄なので、違いは認識しておく必要がありそうです。

また2020年のコロナショックにおいて、残り2つのETFに比べて下落率が大きいという事実が明らかになりました。これは、SPYDの構成銘柄が、配当利回りこそ高くとも、リスクも相応に大きい銘柄で構成されているのが原因です。

SPYDがHDV,VYMよりも大幅に下落!2020年3月 | コロナショック

また2020年9月期の配当が前年同月比で40%以上の減配となり、Twitterでも話題になりました。SPYDは配当利回りだけに目が行きますが、下落を考慮すると結局はVYMやVOOの方がパフォーマンスがよいという結果にもなりそうです。

SPYD構成銘柄上位10

銘柄名 Ticker 業種
Invesco Ltd. IVZ 金融
Public Storage PSA 不動産
International Paper Company IP 素材
Hanesbrands Inc. HBI 一般消費財・サービス
Regions Financial Corporation RF 金融
Fifth Third Bancorp FITB 金融
Broadcom Inc. AVGO 情報技術
Leggett & Platt Incorporated LEG 一般消費財・サービス
Comerica Incorporated CMA 金融
ViacomCBS Inc. Class B VIAC コミュニケーション・サービス

[銘柄分析][米国]SPYD – 高配当ETFを紐解く

HDV

HDVはS&P500の中でも、比較的優良な銘柄で、且つ高配当な米国株式で構成されるインデックスに連動しています。SPYDよりも利回りは低いですが、その分財務の健全性が高い銘柄で構成されているため、ディフェンシブ性が高いと言われています。

運営元のBlackRockのFactSheetによれば[1]、以下のような特性があると紹介されています。

・米国の有名、優良企業の株式に投資します。
・財務状態が健全であり、配当金を支払っている企業の株式75銘柄に投資します。
・インカム獲得を目指すために活用できます。

ティッカーでいうとT、XON、JNJなど有名銘柄など75銘柄を中心に組み入れられています。

基本情報をチェックします。

ファンド名称 iシェアーズ 米国高配当株ETF
運営会社 ブラックロック
ベンチマーク モーニングスター配当フォーカス指数
銘柄数 75
経費率 0.08%
設定日 2011/3/29
総資産額 53.2億ドル
配当利回り 4.25%
配当支払月 3,6,9,12月

2020/11/7時点

上位15銘柄をピックアップしてみましたが、どれも連続増配を行っている銘柄となっています。特に7銘柄に関しては25年以上の連続増配記録を持つ配当貴族銘柄にも数えられている銘柄となっています。

連続増配を行っている銘柄はディフェンシブ性に強いと言われていましたが、実際にコロナショックにおいて、下落幅はSPYDなどに比べても低く抑えられています。

また、KOはウォーレン・バフェットが経営するバークシャー・ハサウェイも保有する銘柄としても有名です。ある意味、伝説的投資家のお墨付きのある銘柄も含まれている優良ETFとも言える側面もあります。

ティッカー 銘柄名 業種 保有比率(%) 連続増配
T AT&T INC 通信 8.97 35
XOM EXXON MOBIL CORP エネルギー 8.31 37
JNJ JOHNSON & JOHNSON ヘルスケア 6.42 57
VZ VERIZON COMMUNICATIONS INC 通信 6.37 15
CVX CHEVRON CORP エネルギー 5.61 32
PFE PFIZER INC ヘルスケア 5.49 10
KO COCA-COLA 生活必需品 4.04 57
MRK MERCK & CO INC ヘルスケア 3.77 13
PEP PEPSICO INC 生活必需品 3.69 47
CSCO CISCO SYSTEMS INC 情報技術 3.66 9
MO ALTRIA GROUP INC 生活必需品 3.44 49
TXN TEXAS INSTRUMENT INC 情報技術 2.38 16
AMGN AMGEN INC ヘルスケア 2.3 9
MMM 3M 資本財・サービス 2.15 61
D DOMINION ENERGY INC 公益事業 2.13 15
[1]・・・iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(ブラックロック)

VYM

VYMは高配当ETFの中でも、より財務健全性が高い銘柄で構成されています。バンガードのサイトによれば、「大型株の中でも、予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を、重点的に組入れます。」と紹介されています。

VYMはFTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指したETFです。FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスというのは、米国株式の高配当銘柄を対象とした約400銘柄を中心に構成するインデックスです。REITは除外されており、時価総額加重平均型の株価指数となっています。[3][4]

他のETFに比べて400銘柄とかなり幅広く分散されています。時価総額加重平均というのは、時価総額が大きい銘柄ほど保有比率を上げるというやり方です。高配当を選択しているという意味では、SPYDに近いですが、SPYDと比べて、採用銘柄数が400と大きい点と時価総額加重平均という重み付けのやり方が異なっています。

経費率が0.06%と他のETFに比べて最も安い経費率となっています。

なお、「楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド」では投資信託を通してVYMに投資可能です。

ファンド名称 バンガード・米国高配当株式ETF
運営会社 バンガード
ベンチマーク FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス
銘柄数 約400
経費率 0.06%
設定日 2006/11/10
総資産額 268.1億ドル
配当利回り 3.78%
配当支払月 3,6,9,12月

数値の基準は2020年2月28日時点
配当利回りは直近の配当を年換算し、2/28の株価で割ったもの。

上位保有銘柄

保有銘柄 シンボル ファンド構成比
Johnson & Johnson JNJ 3.98000 %
Procter & Gamble Co. PG 3.43400 %
JPMorgan Chase & Co. JPM 2.95600 %
Verizon Communications Inc. VZ 2.49900 %
Intel Corp. INTC 2.22500 %
Comcast Corp. Class A CMCSA 2.12500 %
Merck & Co. Inc. MRK 2.12400 %
Pfizer Inc. PFE 2.06900 %
AT&T Inc. T 2.06100 %
Walmart Inc. WMT 1.97700 %

VYMセクター別保有銘柄
引用元:バンガードサイト

[3]・・・バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)(バンガード)
[4]・・・https://www.rakuten-toushin.co.jp/fund/nav/rivuh/pdf/rivuh_P.pdf

結論

SPYDは配当は高いが銘柄が不明すぎて、実際に市場の暴落があった時に下落幅が大きくリスクが大きくなりすぎる印象です。純資産額といい、パフォーマンスといい、分散度合いといい、選ぶならVYMが最も良さそうに見えます。

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