楽天証券の米国株で評価損益額がドルと円で違うのはなぜ?

楽天証券の米国株で評価損益額がドルと円で違うのはなぜ?

楽天証券で米国株をしている方で、ドル評価ではプラスなのに、円評価でマイナスという場合があります。また、ドル評価がマイナスの方でも、円評価がそれ以上に大きくマイナスとなっている場合もあります。今回は、どうしてそのようなことが起こるのか?その理由について解説したいと思います。

ネットで調べてみると、Yahoo!知恵袋に似たようなことでお悩みの方が多くいらっしゃるようで、「評価損益額がおかしい!」という声も多く見かけられました。そういった方に届くように記事を作成させて頂きました。

ドルと円の評価損益額が違う!?

私の事例1

まずはこちらの画像をご覧頂きたいのですが、私の楽天証券のある時点での米国株の評価損益です。

評価損益額[USドル]:-355.25
円換算評価損益額:-123,745 円

この時の為替相場は1ドル105.92円ですので、直感的な評価損益は

-355.25[USドル] × 105.92[円/USドル]=-37,628円

となります。

一体この-123.745円と-37,628円の差額はどこから来たのでしょう?

私も最初に疑問に思ったのですが、結論から先に言えば、これは購入時の為替相場から、かなり円高が進んだために、ドルの評価額が円換算で低くなってしまったことが原因でした。

私の事例2

実際の私が保有するある銘柄でも以下のように評価損益が逆転していました。

この銘柄は購入時よりも円安に進行したため、円評価損益額はプラスとなりました。

楽天証券は評価損益を正確に記録している

まず考え方の前提として、楽天証券は評価損益を計算するにあたり、購入時の為替相場、手数料の負担を正確に記録しています。(もちろん正確でないと困りますが。)

なので、円評価のマイナスの方が大きい!という方は、計算間違いではなく、実際にマイナスが大きくなっているということになりますので、そういった意識で記事を見ていただくと、理解がスムーズかと思います。

為替で円評価額はどう動く?

結論を先に言えば、楽天証券の円換算の評価損益額の計算は、手数料や為替変動をかなり正確に記録してくれています。

購入時の為替相場(の平均)から

円高に進んだ場合:円評価額が下がる。
円安に進んだ場合:円評価額が上がる。

という関係性になります。これが原因で以下のパターンもありえます。

ドル評価損益額はプラスなのに、円換算でマイナス(購入時よりも円高が進んだケース)
ドル評価損益額はマイナスなのに、円換算でプラス(購入時よりも円安が進んだケース)

このあとの記事はこの内容を色々と噛み砕いて解説しています。(この後の解説で言うことは同じです。)

【解説1】為替とドルの動きで評価額はどう動く?

ここでは単純な事例でどのような計算となるかを紹介したいと思います。

円評価額が実際よりも下がる例をもう少し分かりやすく解説してみます。

例えば、為替相場が1ドル100円の時に1株1000ドルの株を10株購入したとします。

この時の購入評価額、ドルと円でそれぞれ

ドル評価額:1000ドル×10株 = 10,000ドル
円評価額:10,000ドル × 100円 =1,000,000円

となります。

仮に株価が1株1000ドルから1010ドルに上昇したとします(1%上昇)。また円高がすすみ1ドル100円から95円に円高が進行したとします(約5%下落)。

この時の評価額は以下のようになります。

ドル評価額:1010ドル×10株 = 10,100ドル
円評価額:10,100ドル × 95円 =959,500円

これを損益額で表すと

評価損益額[USドル]:+100ドル
円換算評価損益額:-40,500円

このように株価上昇率よりも円高が進行すると、ドルベースでは株価が上がっているのに、為替の影響で円でみるとマイナスになっているということが起こりえます。

【解説2】考えられるすべてのパターン

為替相場の変動と、株価の変動の組み合わせによる、評価額の変動は以下の通りになります。

  株価上昇 株価下落
円高 ドル評価額上昇
円評価額下落
ドル評価額下落
円評価額下落
円安 ドル評価額上昇
円評価額上昇
ドル評価額下落
円評価額上昇

評価額が円とドルに差がある方は、このどれかのパターンに当てはまっていることになります。

為替の影響の大きさは?

1円の上昇と下落による変動率は以下のようになります。

ドル円 1円の変動率
110 0.91%
109 0.92%
108 0.93%
107 0.93%
106 0.94%
105 0.95%
104 0.96%
103 0.97%
102 0.98%

米国株式の保有金額で1ドル105円の場合を想定すると1円の値動きで以下の表くらいの評価損益額で変動があります。(変動率0.95%で算出)

米国株評価額 変動金額
1000ドル 950円
1万ドル 9,500円
10万ドル 95,000円
100万ドル 950,000円

当たり前ですが、ドル資産が多い方ほど、このように為替変動による金額の影響を受けます。1000万円位から実際の金額としても大きな変動の影響を受けるように感じます。

円貨で米国株を購入した場合の当日の評価額

米国株を円貨で購入した場合、為替レートが決まる翌日10:00まで、5%上乗せした金額が拘束されます。

つまり、購入してレートが決定するまでに5%マイナスの評価額となることになります。

この場合、午前10:30頃には正しいレートが適用されますので、待てばOKです。

以下、楽天証券のF&Qの引用になります。

国株式の国内約定日の10時の適用為替レートで決定します。
10時の適用為替レートは、9時50分以降に弊社が順次定めるレートとなります。

※日本が祝日の日に取引をした場合は、翌営業日の10時の適用為替レートが適用されます。

適用為替レートが決定するまでは、掛け目5%を上乗せした金額を受渡金額として拘束しております。

実際の受渡金額による画面反映は、適用為替レート決定日の午前10時30分頃より反映しますのでご留意ください。

事前に替えたドルで決済した場合はどうなる?

投資家の中には、円高のタイミングを狙って事前にドルに換金している方もいらっしゃると思います。(いわゆるドル転)

この場合の為替レートはどのように適用されているのでしょうか?

こちらは私が保有するとある銘柄の購入履歴になります。

その時の状況に応じて、ドルで購入したり、円貨で決済しています。

これを見ると、事前に替えていたドルで購入した場合にも、為替レートが記録されています。恐らく、ドル転したドルで購入した場合の損益評価額の計算には、実際にドル転した時のレートではなく、購入したタイミングの為替レートで評価損益額を計算しているようです。

これを考えれば、円高の時にドル転したドルで、円安になったタイミンで株を購入した場合、実際よりも評価損益額が低くなる可能性もあります。

楽天証券に限らずでしょうが、株式購入時以外にドルを売ったり買ったりした場合の損益の計算はかなり難しいということのようです。

まとめ

以上、評価損益額がドルと円で異なるのは為替レートの影響という話でした。

為替の影響があるとわかっていても、実際に目にすると、想像していたよりも、大きな影響があります。想像よりも影響が大きく、皆さんこの疑問にたどり着くのかなと思いますが、まずはしっかりと現実を受け入れましょう!(私もですが・・)

最後にここ5年間の為替レートのチャートになりますが、かなり円高に触れていますので、ほとんどの方は、円評価がドル評価に比べて少なくなっていると思います。

米国株は為替リスクもあるということも十分に踏まえた上で投資するのが一番ですね。

他にも何か気になる点がありましたら、是非コメント頂ければと思います。


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