第1回 どうして米国株に投資するか?米国株の魅力【米国株シリーズ】

第1回 どうして米国株に投資するか?米国株の魅力【米国株シリーズ】

コロナショックの影響があり、株式市場は非常に悲観的になっていると思います。とはいえ、過去の歴史をみれば、米国株の魅力は劣ることがないと考えています。今回はどうして米国株投資の対象として魅力的かを紹介したいと思います。

高い株主還元意識


米国が日本と圧倒的に違うのが、会社の株主に対する還元意識です。特に配当を減配しない、そして増配するという意識が非常に高いことが見受けられます。

日本では連続増配といえば、花王の30年が最も長い連続増配として有名ですが、還元率はせいぜい2%弱です。

その点、アメリカの企業を見てみると、エネルギー系企業なども含めて60年以上連続増配している企業も多く、5%以上の配当を出している企業も多くあります。

例えば、以下のように日本でもなじみのある企業が長年連続増配しているのが分かります。

[PG]プロクター・アンド・ギャンブル:62年
[MMM]スリーエム:61年
[KO]コカ・コーラ:57年
[JNJ]ジョンソン&ジョンソン:57年
※2020年時点

60年前といえば、1960年頃から配当を増やし続けていると言うことになります。現在までに、ブラックマンデー、ITバブル崩壊、リーマンショックなど多くの経済悪化を乗り越えての結果なので、非常にすごいことだと思います。

リーマンショックの時は、アメリカ政府は企業に緊急の財政支援を行ないましたが、その時に多くの企業が支援されたお金を配当の支払いに充てたことが大きな問題となりました。

日本では考えられないくらい、彼らは死んでも配当を出そうとします。そこは投資家からすると非常に心強いと思います。

配当を出さない企業は株主意識が弱い?

長期で連続配当をする企業がある一方で、配当が低い、または全く出さない企業もあります。

最も有名なところでは、あのウォーレン・バフェットが経営する[BRK]バークシャー・ハサウェイでしょう。バークシャーハサウィイは、配当を一切ださずに、得られた利益をさらに企業に投資することで、さらに利益を生み出すことで株価を大幅に上昇させ、S&P500を大幅にアウトパフォームする(上回る)凄まじいリターンを叩き出しています。

このようにアメリカでは、株主のためにあえて配当を出さずに、そのお金を投資に回すことで利益をさらに増やし結果として株価の上昇をともなって株主に還元していく戦略をとる会社も多く存在します。特にIT系などハイテク系の企業はその傾向があります。

株の最低購入価格が低い

米国株はすべて1株単位で購入することができます。1株は100ドル未満(約1万1000円未満)で有名銘柄の多くを購入することができます。例えば有名銘柄の株価は以下のような感じでかなり低額から購入することができます。

[KO]コカ・コーラ:42ドル
[XOM]エクソンモービル:36.95ドル
※2020/3/24現在

300ドルもだせば、本当に多くの種類の銘柄を購入することができます。これの何がメリットかというと、配当の再投資が容易であるという点です。

配当を再投資しやすい

株式でお金を増やす方法は大きく分けてインカムゲイン(配当で儲ける)とキャピタルゲイン(売買の差益で儲ける)の2つの方法があります。特にインカムゲインを目的としている投資家であれば、配当金でさらに高配当の株式を購入することで、複利効果を得ながら資産を増加させることができます。

ジェレミー・シーゲルの「株式投資の未来」では、配当を再投資するこで、パフォーマンスが大きく伸びる事が示されています。

日本株式は再投資が相対的に難しい

一方で日本株を見てみると、単元株でしか株式を購入することができず、多くの銘柄は最低購入価格が10万円〜50万円と、資産の少ない個人投資家にはややハードルが高い金額設定になっています。3万円といった低額で買えるものもありますが、銘柄は限られます。

これは配当の再投資だけに関わらず、資金が少ない場合にナンピン(株価が下がったときに追加で購入すること)しづらいという欠点でもあると思います。私は日本株を買う場合でも、可能な限り継続的に投資可能な価格の銘柄(低位株といいます)しか選択しないようにしています。

配当が比較的安定している

これは配当利回りがある程度ある銘柄に関してですが、期末ごとの配当金が比較的、一定で投資に対するリターンを見込みやすく、長期的な投資戦略を立てやすいという点は米国株の大きな魅力です。あくまで日本と比較した場合ですが、日本のように年によって配当金が増えたり減ったりを目まぐるしく変わる銘柄は少なく、基本的に一定の配当金額を出し続けるか、または増配するか、そういった銘柄非常に多いのが特徴です。

日本は利益がでれば配当を増やしますし、利益が減ればすぐに配当を減らします。日本で配当を目的に投資した場合、配当金が企業の利益に応じて減るリスクが高く、減配によってさらに株価も下がるというダブルパンチも考えられます。

増える人口

米国では2020年現在でも人口が増え続けています。

2018年の人口は3億2720万人となっており、現在でも上昇傾向が続いています。

人口の増加はGDPの増加に影響すると言われており、さらにGDPの増加がアメリカでは今後も経済的な発展が続くことが見込まれています。[1]

特にGDPの増加では、生産人口比率が高く、高齢者比率が少ないことが重要なのですが、日本に比べて米国はどちらもよい条件が揃っています。

ただしGPDの増加がそのまま株価の上昇につながるかという点については、専門家の間でも意見が分かれているようです。つまり人口の増加が必ずしも株価の上昇につながるわけではないという意見もありますので、そのあたりも頭の片隅には入れておいた方がよいでしょう。

まとめ

コロナショックまでは、この記事に書いたように、非常にアメリカの相場は強気な展開が続いていました。コロナショックで中国を抜く死者を出しているアメリカが、今後も魅力的な市場であり続けるのか、今後の推移を見守っていく必要がありそうです。

[1]・・・人口動態の変化は世界経済にどのような影響を及ぼすか(IMF)

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