今は色々な投資方法を検討したいと考えており、その中でも利益を多くあげた投資家の多くが、小型株に注目していることが最近個人的には気になっています。
その中で手にとったのは本書です。この書籍では、小型株ではなく、低位株に注目して投資しています。低位株とは、単純に株価が低い銘柄のことをいい、ボロ株と言われたりしています。低位株で本来の価値よりも低く評価されている株を買い、変化があったところで大きく利益を狙うというものです。実際の投資をみてみると、低迷している株価を買って数ヶ月じっとまち、大きく値を上げたタイミングで売るというような投資スタンスでやっているようです。株式投資で、買値から株価が10倍に上がることをテンバガーといいます。投資をしているならば、やはりテンバガーというのはどこか憧れのようなものを感じます。この方法で著者はテンバガーを3回、20倍株を1回獲得したということです。
どのような投資手法か
書籍で紹介されているテンバガーを獲得するための投資方法をまとめると以下のような感じでしょうか?
【投資期間】
・中期投資(数ヶ月〜1年程度)
・タイミングによっては短期投資
・上場廃止基準の発表などで買う場合も。
・企業の最悪期に投資した銘柄でテンバガーを達していることが多い
【財務分析】
・つねに実際の価値よりも割安であることを計算して買う。
・営業キャッシュフローがプラス、さらに言えば、フリーキャッシュフローがプラス
・営業キャッシュフローがマイナスのものを避ける
・現金同等物>時価総額はチャンスになることも。
納得した部分
筆者なりの割安性の基準をもち、自信をもって投資している点は非常に納得しました。投資しているとなんとなく上がりそうといったような曖昧な理由で投資することもあると思うのですが、やはりしっかりと調べて自分がしっかりと納得した上で買うべきだと改めて思いました。
具体的な割安の判断では、キャッシュフローや現金、時価総額をチェックしており、このあたりの四季報の見方も解説されています。
グレアムの投資に通ずる部分も
バリュー株の元祖とも言えるベンジャミン・グレアムは「40セントで売られている1ドル札を探す」といったようにボロ株から最後の利益を得るといった投資手法だったのですが、それと非常に重なるものを感じました。
ベンジャミン・グレアムの弟子でもあるウォーレン・バフェットはその後、この考え方をさらに発展させ「まずまずの企業を素晴らしい価格で買うよりも、素晴らしい企業をまずまずの価格で買うことの方が良い」という考えへと投資スタイルを変更し、現在の成功を収めました。
私はこの投資方法がダメだとは思いませんが、個人的には長期的に成長を見込める株式に投資するという考えですので、私としては低位株に手を出すのはポリシーとして異なるという感想を持ちました。バフェットの言葉では「株ではなく事業に投資せよ」という言葉があるように、私としては、長期的に企業の成長を信じていける投資をしていきたいと考えています。
成功する投資家に共通すると感じたところ
この書籍で紹介されている方法でテンバガーを狙う銘柄の場合、比較的下降トレンドを形成しているものが多く見受けられました。私の投資スタンスとして、上昇トレンドを基調とすべきと考えはじめていますので、その点、この投資方法は相容れない部分があります。
とはいえ、以下のように様々な点で成功する投資家に共通する部分も見いだせたと思います。
・自分が納得するまでしっかりと調べて投資する。
・勝てると思ったら大きく投資する。
・企業価値を計算し、割安だと思う銘柄に投資する。
事実この方は紹介されている投資手法で、マイホームとランボルギーニをキャッシュで購入されたということで、結果を残している点はすごいと思います。様々な投資手法を検討している中で、一つ結果の残っている投資手法として非常に参考になる書籍でした。
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