今回はネット検索やTwitterでよく目にする人気の米国ETF(海外ETF)を紹介してみたいと思います。
ETFは市場全体に投資された指数に連動した銘柄を購入することができるので、効率的に分散投資できるのが魅力的ですよね。
今回は最低限押さえておけば良さそうだと思うETFを中心に整理しました。
なお、数値は2019年12月調査時の数値となっています。
S&P500 インデックスファンド
歴史上で最もパフォーマンスが高いETFと言われています。米国のETF残高の1位、2位、4位がそれぞれSPY、IVV、VOOというように、米国でも非常に人気のETFです。
組入銘柄も若干異なっていますが、どのみちS&P500に連動するのであれば、単純に経費率だけ見て、VOOでいいのではないかと思います。
ティッカー | 名称 | 配当利回り | 経費率 |
---|---|---|---|
SPY | SPDR S&P 500 ETF | 1.75 % | 0.09 |
IVV | iシェアーズ・コア S&P 500 ETF | 1.84 % | 0.04 |
VOO | バンガード・S&P 500 ETF | 1.88 % | 0.03 |
SPY
SPYは「SSGA ファンズ・マネジメント・インク」(SSGA:State Street Global Advisors)が運営する1993年1月に誕生した世界初の上場投資信託(ETF)として有名で資産残高は3000億ドルを超えています。[2]米国ETFの資産残高としてもNo.1です。
S&P500に連動したインデックスファンドとして最も有名かつ注目を集めている銘柄で、S&P500に連動したETFを純粋に購入するとなった場合はSPYが選択肢の筆頭に上がると思います。
組入上位銘柄としては、AppleやMicrosoft、Amazon、Facebookなどアメリカを代表する銘柄が組み入れられています。[1]
IVV
ブラックロック社が運営するS&P500連動のETFです。
VOO
VOOは同じバンガード社が運営するS&P500に連動したインデックスファンドのETFになります。組入銘柄も若干異なるものの、Microsoft、Amazonなどアメリカの代表銘柄が組み入れられています。VOOはあとから登場したこともあり、経費率も低く、配当利回りもSPYに比べると若干高くなっています。
後述して紹介しますが、S&P500高配当株式ETFとしてSPYDもあります。
SPYとIVVとVOOを比較
経費率や配当利回りをみても、ETFが登場したSPY、IVV、VOOの順番でよい数値となっています。
3つの銘柄のパフォーマンスを比較しても、グラフが重なってよくわかりません。経費率の差もあまり影響がないということかもしれません。こうなると配当利回り重視でVOOだけでいいのかなと思います。
[2]・・・SPY(SPDR® S&P 500® ETF ) 最も長い歴史を誇るETF
米国全体&世界全体
バンガード社が運営する2つのETFで、非常人気の高い銘柄です。
ティッカー | 名称 | 配当利回り | 経費率 |
---|---|---|---|
VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 2.31 % | 0.09 |
VTI | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF | 1.76 % | 0.03 |
VT
VTは、全世界の株式市場に投資するインデックスファンドです。先進国、新興国の小型株、中型株、大型株に投資されています。世界経済全体は緩やかに成長しているということを前提にするならば、これさえ持っておけばなんとかなりそうな銘柄です。[5]
株式投資をあまり細かくチェックしたくないという方ならば、この一本で積立投資設定するのもありですね。
パフォーマンスをVTIと比べると、かなり低くなっています。このあたりを同評価するかは投資家次第というところもありますが、米国一本に比べるとより投資分散されているという考え方もできます。とはいえ、VTの約60%は米国株で構成されていますので、分散しているのな分散されていないような銘柄で中途半端な印象もあります。実際VTIはETFの資産残高でも中位と人気はVTIに劣っているようです。個人的にはVITを持つならVT一本でいいような気がします。
VTI
VTIは、バンガード社が運営する米国市場全体に投資するインデックスファンドです。CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動する動きをします。CRSP USトータル・マーケット・インデックスは米国の投資可能なほぼ100%の4000銘柄で構成されています。
S&P500に連動するインデックスファンドに比べて、成長余力のある小型株も含まれていることから、パフォーマンスはSPYをアウトパフォームしています。
経費率も0.03%と信じられなくらい低いです。米国ETFの資産残高でも上位です。
設定:2001年5月24日
日本国内の投資信託ですと、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」などが同等のファンドになります。私もつみたて投資でこちらのファンドを購入しています。
[5]・・・日米ETF―ダントツ人気の「VT」、米国ではいまいち高配当ETF
続いて高配当ETFです。SPYDは、先程紹介したSPYの高配当ETFになります。配当利回りはSPYDのが他をしのいでいます。
ティッカー | 名称 | 配当利回り | 経費率 |
---|---|---|---|
SPYD | SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF | 5.59% | 0.07% |
HDV | iシェアーズ コア米国高配当株 ETF | 4.01% | 0.08% |
VYM | バンガード・米国高配当株式ETF | 3.81% | 0.06% |
SPYD
SPYDは2015年に登場したばかりの新しいETFで、S&P500の高配当上位80銘柄に約1.25%ずつ投資しています。投資セクターとしては不動産に約20%となっています。米国不動産は値動きが激しいことで知られていますので、ややリスクが高いといえるかもしれません。
SPYとSPYDは同じような名前のティッカーですが、内容はかなり異なっています。SPYはS&P500にまるごと連動するのに対して、SPYDは高配当上位80銘柄なので、違いは認識しておく必要がありそうです。
HDV
HDVは、モーニングスター 配当フォーカス指数に代表される、比較的高配当な米国株式で構成されるインデックスと同等の投資成果をあげることを目指している指数です。ティッカーでいうとT、XON、JNJなど有名銘柄など74銘柄を中心に組み入れられています。
VYM
VYMは、FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指したETFです。FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスというのは、米国株式の高配当銘柄を対象とした約400銘柄を中心に構成するインデックスです。REITは除外されており、時価総額加重平均型の株価指数となっています。[3][4]代表銘柄は、JPMorgan Chase & Co., Johnson & Johnsonとなっています。
[3]・・・VYM[4]・・・https://www.rakuten-toushin.co.jp/fund/nav/rivuh/pdf/rivuh_P.pdf
米国REIT
米国REIT系だと、IYRが代表格だと思います。ただ実はRWRも成績が良かったりしています。
ティッカー | 名称 | 配当利回り | 経費率 |
---|---|---|---|
IYR | iシェアーズ 米国不動産 ETF | 3.62 % | 0.42% |
RWR | SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETF | 4.46 % | 0.25 % |
IYR
IYRは米国の不動産セクターの株式で構成される指数と同等の値動きを目指すETFにです。IYRはボラティリティが高く、2009年のリーマンショックでは70%近く値を下げていますが、その後2019年末までに価格は3倍以上、上がりました。
経費率が0.42%と他のETFに比べて高めとなっています。
RWR
RWRは経費率が0.25%となっており、ここ10年のパフォーマンスもRWRの方が上のようです。
配当などは魅力的に見えますが、かなり高値圏でなかなか買いに踏み切るのが難しい印象です。2020年1月現在、すでにリーマンショック前の最高値を更新しています。
配当額は、かなりばらつきがあります。
その他人気のETF
最後にその他の様々な人気のETFを紹介したいと思います。
ティッカー | 名称 | 配当利回り | 経費率 |
---|---|---|---|
VIG | バンガード・米国増配株式ETF | 1.72 % | 0.06 |
QQQ | パワーシェアーズ QQQ 信託シリーズ1 | 0.73 % | 0.2 |
VIG
VIGはバンガード社が運営するETFで、10年以上連続して増配された実績を持つ銘柄で構成されています。また、増配の可能性の低い銘柄やREITは除外されています[5]。
経費率は0.06%とかなり低いです。増配銘柄ということですが、配当利回りは1.72%とやや見劣りする内容です。
連続増配銘柄の特徴としては、ディフェンシブ銘柄という特徴もあるようです[6]。
QQQ
QQQはナスダックに上場している時価総額上位100位の銘柄で構成されるナスダック100指数に連動した動きを目指す銘柄です。ナスダックは新興企業向けの株式市場で、日本だと規模は全く違いますがマザーズのようなイメージです。
ナスダック100指数には、Google、Amazon、Facebook、Appleといった超巨大ITをはじめ、多くのハイテク系、IT系の企業が含まれています。ちなみにナスダック100指数の銘柄はナスダック市場全体の4%ですが、時価総額では70%を超えているそうでうす[7]。投資スタンスで言えばグロース株投資ということになります。
S&P500と比較して値動きを見てみます。
データ更新日:2020年5月12日
この10年間はS&P500を大幅にアウトパフォームしています。今回比較したグラフをはじめて見てみましたが、QQQが人気の理由がわかります。ただ、書籍「株式投資の未来」にも書かれていますが、ハイテク系は実は投資パフォーマンスが思ったよりもよくないとも書かれています。歴史的に長くみていけば、S&P500が優位なのか、それともQQQが新しい事実を作っていくのか、そのあたりは、私が死ぬ頃には分かるかもしれません。
[5]・・・https://www.vanguardjapan.co.jp/docs/FS_VIG_JP.pdf[6]・・・米国ETF VIGの魅力は株価の上昇率だけじゃない!増配実績文句なし…増配率は?
[7]・・・NASDAQ100インデックスファンド
最後に
今回はTwitterでよく見かける株式銘柄をピックアップして簡単に概要を比較してみました。
こうやって比較すると、良し悪しや人気の理由がわかってくるような気がします。
※投資は自己責任でお願いしたします。
※特定の銘柄を推奨する目的で書いた記事ではありません。