最近ウォーレン・バフェット関連の本を呼んで一番難しいと思っていたのが、どうやって割安な株を見つけるか?という問題です。
バフェットの師匠であるベンジャミン・グレアムは正味資産価値という考え方で割安株を判断していましたが、バフェットは一見割高に見える株であっても、様々な側面から人には見えない割安株を見つけ出し大成功おさめています。
この本は、再現性が高く優良な銘柄を選択できるのかという観点で紹介されています。
配当貴族指数
特に一番フォーカスを当てているのが、配当貴族指数。
配当貴族指数というのは、
・S&P500
・連続増配記録が25年以上
・時価総額が30億円以上
・一日の平均取引額が500万ドル以上
の銘柄で構成される指数で、リーマンショック以降で比べてもS&P500をアウトパフォームしているということです。
さらにリーマンショック時の下落幅を見ても、S&P500よりも低いという結果になっています。
私自身この指数ははじめて見たのですが、日本では高配当銘柄でという位置づけで見られているのではないかということで、高配当という意味では利回りが2%台と相対的に低いためあまり目立っていなかったようです。
SDY:配当貴族指数のETFもある
書籍に直接紹介されていなかったかもしれませんが、配当貴族指数のETFを探してみたら、SDYというティッカーでありました。
Googleで調べて見えると、あまり日が当たっている銘柄ではなさそうでしたが、それなりに有名なETFなようです。
ただしこちらのETFは経費率が高いためか、S&P500のパフォーマンスよりは低くなっています。
SDYの気になる利回りや経費率ですが以下のようになっています。
経費率:0.35%
利回り:2.43%
ただタイミングによっては5%以上の配当を出すときもあるようです。[1]
バリュー株投資について
バリュー株をどうやって判断するのか?
再現性の高い方法としてデータ分析の方法と、データ分析のサンプルになるエクセルがついてきます。
このデータ自体がすごいというのもありましたけれども、こういう考え方であればだれでも簡単にデータを分析できるなと納得しました。
特に私自身、漠然と四季報であったりIR情報はみていたのですが、過去の長期的な推移のなかでPER(株価収益率)やEPS(一株あたりの利益)がどのように変化するかという観点で、チェックする方法を持ち合わせていなかったので、そのあたりは非常に参考になりました。
EPSの変化率をいくつかの銘柄で見ていて知ったのですが、変化率が一定の企業と、ばらつきのある企業があることがわかりました。ウォーレン・バフェットが、どこかでEPSが一貫している企業であることが、他社と明確に差別化できている企業であるようなことを言っていたのですが、この本の方法のデータ分析方法で、「あっ、これがそういうことかな?」とすこし垣間見えた気がしましたので、そのへんは良かったです。
この書籍で紹介されている割安、割高の判断が、できるだけ長期で分析した様々なデータの変化率の最小値、最大値から割安、割高を判断しようというものでした。
とりあえずゴリゴリとデータを作っていけば判断できるので、再現性が高く判断できる方法としては良さそうでした。
(ただデータを作るのは時間がかかりそうです。)
税金について
配当にかかる税金の知識についても詳しく書かれていましたが、私にはまだちょっとよくわからなかったので、もう少ししてから身につけてみたいなと思いました。
技術評論社
初版:2020年1月25日
著者:ひろめ