証券会社各社は米国株の手数料値下げを進めた結果、買付手数料無料で購入できる銘柄が増えています。
今回は、人気の証券会社である楽天証券、SBI証券、マネックス証券の3つの会社で買付手数料無料で購入できるETFを比較してみました。
手数料無料銘柄まとめ
ティッカー | 銘柄名 | 楽天証券 | SBI証券 | マネックス証券 | 経費率 |
---|---|---|---|---|---|
VT | バンガード トータル ワールド ストックETF | ◯ | ◯ | ◯ | 0.09% |
VOO | バンガード S&P 500 ETF | ◯ | ◯ | ◯ | 0.03% |
VTI | バンガード トータルストックマーケットETF | ◯ | ◯ | ◯ | 0.03% |
IVV | iシェアーズ S&P 500 ETF | ✕ | ◯ | ◯ | 0.03% |
SPY | SPDR S&P 500 ETF | ◯ | ◯ | ◯ | 0.09% |
EPI | ウィズダムツリー インド株収益ファンド | ✕ | ◯ | ◯ | 0.85% |
DHS | ウィズダムツリー米国株高配当ファンド | ✕ | ◯ | ◯ | 0.38% |
DLN | ウィズダムツリー米国大型株配当ファンド | ✕ | ◯ | ◯ | 0.28% |
DGRW | ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長 | ✕ | ◯ | ◯ | 0.28% |
RWR | SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETF | ◯ | ✕ | ✕ | 0.25% |
GLDM | SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト | ◯ | ✕ | ✕ | 0.18% |
GDAT | GS データイノベーションETF | ◯ | ✕ | ✕ | 0.5% |
GDNA | GS ヘルスケアイノベーションETF | ◯ | ✕ | ✕ | 0.5% |
GFIN | GS 金融イノベーションETF | ◯ | ✕ | ✕ | 0.5% |
SBI証券とマネックス証券は完全に同じ銘柄が手数料無料の対象となっており、楽天証券が一部重複していますが、楽天証券だけ無料という銘柄もいくつかあります。
共通して無料の銘柄
3社に共通しているのは、VTI、VT、VOO,SPYの4銘柄です。
SPY、IVV、VOO(S&P500インデックス)
SPY、IVV、VOOはS&P500に連動するインデックスファンドで、順番に設定日が新しく、経費率も低くなっています。SPYは世界最初のETFで、S&P500に連動する世界最大のETFとして有名ですが、現在ではより経費率の低いVOOが有名です。今投資するとして、あえてSPYやIVVを選ぶ理由はないと思います。手数料無料の銘柄の中でもVOOが日本でも特に有名で、人気のある銘柄です。
VIT、VT
VTI,VTはそれぞれ
VTI:米国に上場していて投資可能な銘柄にほぼ100%投資する銘柄
VT:米国を含む全世界の先進国株式市場及び新興国市場へ幅広く投資する銘柄
となっています。個別で米国株として購入することもできますが、それぞれ日本から投資信託としても購入することができます。VTIは楽天であれば、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」(通称:楽天VTI)、VTであれば、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」(通称:楽天VT)など、投資信託として同銘柄に投資することもできます。
直接ETFに投資する方法と、投資信託に投資する方法は、どちらがよいのかよく議論されています。投資信託を経由する方は、経費率が上がるデメリットはありますが、
・100円と少額から投資できる
・配当の再投資が自動的に行われる。
・配当金の米国課税がない。
といったメリットがあり、投資効率の点から投資信託から投資した方が、パフォーマンスが高いと考えられます。
楽天証券のGLDMに注目
楽天証券で【GLDM】SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラストが無料の銘柄として含まれています。これは米国の金ETFです。金ETFといえば、世界最大のETFであるGLDが有名ですが、GLDMはより経費率を抑えた銘柄となっています。金投資を考えている方であれば、是非注目したい銘柄です。
個別銘柄ピックアップ
いくつか気になる銘柄について個別で取り上げてみたいと思います。
EPI
EPIはインドに投資するETFです。
“石油・ガス開発のリライアンス・インダストリーズ、世界有数の IT 企業インフォシス、インドを代表する住宅金融の HDFC など、成長力のあるインド企業を幅広く保有”しているということです。
ポートフォリオに組み入れられている銘柄の値動きを個別で見ると、かなり急激な上昇傾向を見せており、S&P500をかなりアウトパフォームしています。
一方で、EPIの値動きを見ると、S&P500どころか、10年スケールで横ばいの動きを見せています。
経費率が0.85%とかなり高い点が影響している点と、ドルルピーの為替相場の影響があるのかなと推測されます。インドへの投資であれば、米国株ETFを経由しなくても日本の証券会社からも、投資できる銘柄もありますので、そちらも含めて検討した方が良さそうです。
まとめ
有名所が複数抑えられているので、投資したい銘柄がある方は、それに合わせた証券会社を選択するのも一つの方法だと思います。
ただ、手数料が無料だからといって、その銘柄を選ぶのは、本末転倒だと思いますので、まずは銘柄ありきで、手数料無料はおまけ程度に考えておく位でいいかもしれません。
【参考】
[1]・・・買付手数料無料ETF(楽天証券)
[2]・・・SBI証券の無料化&プライスダウン(SBI証券)
[3]・・・バンガードなど米国ETFの買付手数料を実質無料に!(マネックス証券)