今回、楽天証券、SBI証券で購入できる投資信託の中でも上位に食い込んでいるeMAXIS Slimシリーズのファンドについて、本当に優秀なファンドはどれなのかを比較して検討したいと思います。
eMAXIS Slimシリーズとは?
eMAXIS Slim(イーマクシス・スリム)は、三菱UFJ国際投信が運営するファンドのシリーズで、「業界最低水準の運用コスト」を目標としています。
実際にどのファンドも信託報酬は0.1%~0.2%と、業界の中でも最低水準の低コストを実現しています。
2017年2月に最初の4つのファンドをスタートして依頼、これまでに13のファンドをリリースしています。
4つのファンドを比較
今回は楽天証券、SBI証券の投資信託ランキング、NISAランキング、積立ランキングなどからeMAXIS Slimシリーズで特に人気の高い以下の4つの銘柄で何が優秀なのか?どういった違いがあるのかを比較してみたいと思います。
【比較対象の銘柄】
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
なお、すべての調査は2020年5月25日時点の情報となっております。
設定日ベースで比較
4つのファンドはそれぞれ運用開始日が異なります。それぞれ設定日を10000としており、設定日以来のパフォーマンスを比較したグラフが以下のようになります。
このグラフを見ると、緑の先進国ファンドが最もパフォーマンスがよく見えます。ただ注意したいのは先進国ファンドが最も早いタイミングでスタートしているため、ここ数年間の米国株の上昇の恩恵を長期間受けているということです。
基準日を揃える
そこで同じタイミングでファンドを持った場合にどのファンドが一番パフォーマンスが良いのかを見るために、指数の基準日を2018/10/31に合わせました。この日は4つファンドのうち、一番最後に登場した全世界(オール・カントリー)が設定された日となります。全てのファンドの指数をこの日を10000に設定し直して比較しています。
ちなみに今回はブログで分かりやすいように自作したのですが、eMAXISの公式サイトでは、すべてのファンドを同じ基準日で比較出来ますので、他のファンドと比較してみたい方はそちらも参考にしてみてください。[1]
このグラフを見ると景色が変わってきます。赤色のS&P500のパフォーマンスが高くなっているのが分かります。逆に青色の8資産均等型のバランス型ファンドについては、コロナの影響で下落は激しい上に、回復も遅いという欠点をあらわにしてしまいました。パフォーマンスの高い順に並べると
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
という順番になりました。
米国株を含む比率
この並びを見て分かることは、米国株を含む比率が高いほどパフォーマンスがよいということです。ちなみにおおよそですが、各ファンドの米国株の比率は以下のとおりです。
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):100%
・eMAXIS Slim 先進国株式インデックス:68.7%
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):55.8%
・eMAXIS Slim バランス(8資産均等型):数%
先進国とか全世界とかいいながら、結局米国株に依存しているのは、名前詐欺??苦笑のような気もします。ただ、米国株を含めないとパフォーマンスがよくならないという事実があるのだと思います。
最優秀銘柄はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
今回の調査では、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が最もパフォーマンスが高いということが分かりました。
世界の株式市場をみても、米国株の好調さは目を引きます。この調査時点では米国株式(S&P500)がよい選択肢となりそうです。とはいえ、パフォーマンス調査はあくまでも過去の調査であり、未来が同じであることを保証するものではありませんので、リスクが十分にあることはわかった上で投資するべきでしょう。
[1]・・・eMAXISファンド比較