[書籍紹介]千年投資の公理 ──売られ過ぎの優良企業を買う

[書籍紹介]千年投資の公理 ──売られ過ぎの優良企業を買う

別の書籍の最後に広告で紹介されていた同著を手にとってみました。

経済的な堀とは?

著者はモーニングスター社で株式リサーチのディレクターで、経済的な堀のレーティングの開発の中心メンバーの一人です。中長期の投資スタイルにおいて、どのような銘柄に投資すべきかについて考え方が紹介されています。経済的な堀というのは、ウォーレン・バフェットが発明した言葉で、事業を継続的に行うための優位性をお城の堀に例えた言葉です。

どうして投資先を選ぶ時に堀を考慮する必要があるのでしょうか?それは堀があることで、ROIC(投下資本利益率)を高く維持することで、企業に成功をもたらすためです。この書籍にはどのようにして堀がある企業を探すことができるのか、そのノウハウやファンダメンタルズの考え方が紹介されており、無形資産、乗り換えコスト、ネットワーク効果、コスト効果が紹介されています。
※ちなみにモーニングスター社のサイトの経済的な堀の紹介ではこれらに加えて「規模の優位性」が含まれています[1]

どれも言われてみれば、そうだなと思いますが、体系的にまとめられている点に価値があると思います。

有名なCEOについて

優秀な経営者がいる堀がない会社よりも、平均的なCEOでしっかりと堀のある企業の方が成功する可能性が高いということが述べられています。
これはバフェットも同じ様なことを言っていたと思います。バフェットもこれまでの投資経験で、どれほど優秀なCEOであっても、会社のビジネスモデルがよくない場合はどうにもならないと言ったことをいっていました。

どうやって堀の価値を測定するのか

堀の測定ということですが、趣旨としてはバリュー株における割安性の考え方という紹介になります。私自身もバリュー株といったときに、何を持って割安とするのかは、株式投資をはじめて長らく疑問に感じ続けていますが、その答えのいくつかはここで紹介されています。実際の会社の企業価値を計算するのは非常に難しいということは、この著者も言っています。それではどのように割安性を評価するのか。いくつか考え方をピックアップしてみると以下のようなものになります。

ROEとROA

・企業の利益率について
 →金融業界以外でROAが7%以上上げている。
 →ROEは15%以上上げている。

利益の成長率

例えば、1株あたりの収益が1.5倍に増えた場合、株価が1.5倍になる場合もあれば、10倍になる場合もあります。また、収益はそのままなのに、PERが1.5倍になる場合もあります。前者の場合は投資リターンによって動かされ、後者は投機リターンによって動かされていることになります。このように、収益の伸びと、株価の伸びを比較することが、その会社の割高・割安を判断する材料の一つになりそうです。

他にも企業の成長性が予測通りになるかどうかから割安性を判断する方法もあります。例えば、企業の成長率が10%であることを織り込まれている場合、その会社の割安性を評価する場合その10%が達成できるのかどうかを考えるということになります。そもそも成長率が10%であるということをうまく知ることができれば、一つ次のステップに上がることになりますが、それはそれでハードルが高いことのようにも感じます。

そのほかのツール

そのほかにもPER、PBR、PSR、PCFRに対する評価の考え方についても詳しく述べられています。一応それぞれを解説すると以下のようになります。

PER・・・株価収益率
PBR・・・株価純資産倍率
PSR・・・株価売上高倍率
PCFR・・・株価キャッシュフロー倍率

PERとPBRは株式評価の最も有名な2つの指標であると思いますが、その使い方や考え方を学ぶ上でも、同著は非常に役に立つと思います。
これらの指標の根本的な使い方で言えば、以下の2つの見方があると言えます。

1.過去の水準と比べて低いか高いか
2.同業、または市場全体と比べて低いか高いか

この2つを抑えておけば、基本的には良さそうです。

PER、PBR等については、当ブログでも詳しく解説いていますので、詳しく知りたいかたはそちらもご覧ください。

【PER,PBR,EPS,ROE,ROA,BPS】株式の重要指標を理解する、計算式と意味と覚え方

売りどきについて

売りどきについては、個人的に非常に興味のある検討分野で、私自身試行錯誤している部分です。この書籍では、チャートなどのテクニカルな要素での売り判断は推奨しておらず、事前の予測が間違っていた場合、ファンダメンタルズが悪化した場合、もっとよい投資先が見つかった場合、ポジションが大きくなりすぎた場合の4つを推奨しています。

まとめ

これまでウォーレン・バフェットの投資方法に関する書籍をいくつか読んでいますが、この書籍を読む限り、ほとんど同じような考え方です。私自身、バフェットの考え方には非常に賛同していますので、その具体的な実践方法的な位置づけで、同著は楽しめると思います。米国株投資のみならず、投資全般に共通する有益な情報が得られると思います。

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初版2014/11/18
著者:パット・ドーシー(Pat Dorsey)
CFA(公認証券アナリスト)、モーニングスター株式リサーチ部門のディレクター。同社の株式評価システム(モーニングスターレーティング)や経済的な堀のレーティングの開発における中心メンバーのひとりで、『The Five Rules for Successful Stock Investing : Morningstar’s Guide to Building Wealth and Winning in the Market』(ザ・ファイブ・ルール・フォア・サクセスフル・ストック・インベスティング)の著者でもある。ウエズリアン大学卒業(政治学)、ノースウエスタン大学大学院修士課程終了(政治学)。

[1]・・・https://www.morningstar.com/articles/735365/the-morningstar-economic-moat-rating

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