この記事では民主党と共和党ってどういう仕組なの?何が違うの?という疑問を自分なりに調べてまとめたものになります。専門家ではありませんのであしからず。
そもそもなんで政党が2つしかないのか?
これが最初の疑問でしたが、アメリカの選挙では、その選挙区で最も得票数が多い政党が、その選挙区を勝ち取るという方式のため、小さい政党では戦えないという事情があるようです。そのため、2つの政党で論点を絞り、YES or Noで選挙を行うというやり方がアメリカの選挙の仕組みのようです。
日本の場合は、得票数に比例して議席を獲得できるので、小さい政党が生まれやすいという背景があるようです。
2つの政党の違い
サマリーとしては以下のようになります。
民主党 | 共和党 | |
---|---|---|
イデオロギー | リベラル | 保守 |
シンボル | 青、ロバ | 赤、ぞう |
政府 | 大きな政府(社会福祉など経済に介入) | 小さな政府(政府の介入は最小限に) |
経済 | 富の再分配 中小企業支持 |
富の再分配に反対 大企業を支持 |
税金 | 富裕層の増税 | 富裕層の減税 |
支持基盤 | 農業従事者、労働組合、マイノリティー | キリスト教徒、起業家、白人 |
支持者の多いエリア | 東海岸、西海岸 | 中西部、農業地帯、南部 |
人工中絶、避妊 | 容認 | 反対 |
銃規制 | 強化 | 維持 |
保守とリベラル
保守というのは、伝統的な流れを重んじるという意味で、キリスト教の考えを色濃く反映した、人工中絶反対の立場や、銃規制に対する現状維持などが、その流れを表しているように見えます。
リベラルという言葉は、個人の自由や多様性を尊重するというイデオロギーのようです。これがつまり、労働者一人ひとりを重んじ、民族的・宗教的マイノリティを大事にするという考えにつながっています。
財政
大きな政府、小さな政府と政党で別れていますが、私の個人的な考え方では、その時代の経済に合わせて、どのような財政政策をとるべきかは変わってくる気がします。政党が比較的交互に入れ替わっているのも、その時代に求められる政党が選ばれているようにも思えます。
経済
共和党では、大企業優遇という姿勢があり、実際にトランプ大統領は、法人税の減税など、企業を優遇する政策をとってきました。
アメリカの政党の役割
アメリカの政党は、日本の政党の考え方とは異なっています。アメリカの政党は、地方組織の緩やかな集合体に過ぎず、組織に所属することに対する制限もないようです。
アメリカの政党制度は、論点が明確で、それに対して賛成なのか反対なのかというを国民が判断するための集合体と考えるのが自然なのかもしれません。
歴代大統領は共和党と民主党、どちらが多い?
歴代の大統領がどちらの政党であったかは、Wikipediaがわかりやすいのですが、比較的交互に大統領になっている印象ですが、やや共和党の大統領が多いです。
共和党:19人
民主党:16人
ホイッグ党(のちの共和党):4人
民主共和党(のちの民主党):4人
その他:2人
政党の違いによる米国株への影響
特に経済政策においては、共和党政権は大企業優遇の政策を取る傾向があるため、株価への影響が大きい印象もありますが、過去の推移を見ると、どちらも政党であっても同じ様に株価は成長し続けています。
民主党政権では、社会福祉拡充、労働者優遇など、アメリカ全体を底上げするような意味合いがあるのかもしれません。
為替の影響
一般的に、為替は通貨安の方が、輸出で有利になりますので、経済においてメリットがあると考えられています。この観点で、明確にドル安政策を行った大統領もいます。例えば、金本位制を廃止したニクソン大統領(共和党)、日本のバブル崩壊前に急激な円高の引き金になったプラザ合意の時のレーガン大統領(共和党)などがそうです。
明確に政党の違いとまではいきませんが、共和党政権の大統領の時に円高が大きく進んだという経緯もあります。円高、円安のどちらがいいのかという議論はありますが、日本のデフレ脱却という観点からは、円安の方がよいという意見もあります。
米国株投資の観点でいえば、
円高:新規購入に有利、ドル保有価値は減少
円安:ドル保有資産は増加、新規購入は不利
という違いがあります。
2020年大統領選挙がよく分かる記事
2020年の大統領選挙に関しては、ほかの記事が参考になると思います。
【参考書籍】
入門アメリカ経済Q&A100(中央経済社)
株式投資-ジェレミー・シーゲル