FIRE(ファイアー)とはFinancial Independence, Retire Earlyの頭文字をとったもので、日本語では「経済的自立と早期退職」と訳されます。
これだけ聞けば、FIREとは、「さっさと稼いで、仕事なんて辞めちまおう」という不堕落でロクでもない人格だと思われるかもしれません。
しかし、この書籍を読めば、FIREがそのようなネガティブなものではないことがわかります。
FIREとは「働く必要がない」ことを目指すのではなく、「二度と働かなくてもよい」という1つの選択肢を得ることが大きな目的です。似たような言葉ですが、この2つは大きく違うと思います。そしてお金に縛られないことで、本当にやりたいことだけをやる人生を手に入れることが大きな目標になります。
目標を決める
FIREの4文字のうちのFIは「経済的自立」を表しますが、あなたにとって経済的自立とはなんでしょうか?
「経済的自立」とは、自分で決めてよいことと紹介されています。日本人は、答えがなければ前にすすめないことになれているため、自分で答えを決めてもよいと言われると少し混乱するかもしれませんが、そこは頑張って自分なりの答えを探して見ましょう。
もしかすると
「通勤しなくてもよい生活を手に入れる」ことかもしれませんし、
「週に4日はプライベートで趣味に打ち込みたい」ことかもしれませんし、
「仕事を辞めて田舎で畑を耕したい」ことかもしれません。
FIREを目指す上では目標を設定することが重要になります。
これらの経済的自立の目標を決めることで、そこまでに必要なお金や計画を立てることができます。
目標が決まったら、以下の7つのステップでFIREを目指すことになります。
FIREのための7つのステップ
ステップ1:自分の目標とする数字を把握せよ。
ステップ2:いま持っている金額を計算せよ。
ステップ3:お金に対する考え方を根本的に改めよ。
ステップ4:予算を立てず、あなたの貯蓄に最も大きな影響を与えるものだけに集中せよ。
ステップ5:9時5時の仕事をハック[ 工夫、効率化]せよ。
ステップ6:儲かる副業を始め、収入源を複数持とう。
ステップ7:できるだけ多くのお金をできるだけ早く、できるだけ頻繁に投資せよ。
詳細なやり方は書籍を参考にしていただくとして、いくつか重要な共通する考え方があります。それは以下のようなものです。
・収入を最大化し、貯蓄率を上げる。
→稼ぎを以下に多く、早く投資に回すかが重要
・稼ぐ、節約では時間効率を重視する。
→なぜならお金は無限だが、時間は有限で貴重なものだから。
・今まで当たり前と思っていることを疑うこと。
このエッセンスをしっかりと理解できれば、自ずとFIREへの道は近づくでしょう。
お金と時間の価値観
この書籍では時間とお金の価値について、非常に多くのページが割かれています。
お金は無限である
時間は有限である
個人的にはすごくこの言葉は腑に落ちました。当たり前のような考え方でもありますが、ふと気づくとついつい効果がないことに時間を使っている自分に気付かされます。(と、このブログを書きながらまさに今の自分がそうなのかも?と思う部分もありますが、、、)
FIREに向けてやること
FIREに向けてやることは以下の3つに集約されます。
・収入を増やす
・貯蓄率を増やす
・支出を減らす
減らせる支出は減らし、副業で(または本業で)稼ぎ、出来る限り多くを、できるだけ早く投資に回すということです。
収入を増やす
収入を増やすためには、今までの労働収入では限界があるため、以下のような方法を組み合わせることで収入を増やさなくては到達するのが難しくなります。
・フルタイムの労働
・副業
・起業
・投資
これも1つだけを極めてもいいですし、組み合わせてもいいんですよね。とにかく今以上により少ない時間で、より多くを稼ぐ(時間効率良く稼ぐ)ことを頑張ろうという話です。
貯蓄率を増やす
貯蓄率はとは収入における、投資または貯蓄に回す割合のことです。貯蓄率が高ければ高いほどFIREへの道は近づくことになります。FIREを目指す上では、この貯蓄率を上げることがもっとも重要になります。投資は、毎日1ドル増やすだけでも複利効果で将来的に大きな違いを生みます。
支出を減らす
時間を節約に使うのではなく、もっと稼ぐことの方に時間を使うという提案がかかれています。
1円単位の節約は効果は見えやすいですが、時間効率が非常に悪いので、やらない方が良いということです。そして節約の効率が大きいもの(金額が大きいもの)、すなわち、住居費、車両費、食費を優先的に減らす方法を検討した方がよいということです。
昨今、日本でもキャッシュレスでお得なキャンペーンが開催されていますが、時間効率を考えて、本当にそのキャンペーンで得られるお得に自分の時間を使う価値があるかは見極めた方がいいでしょう。
投資する
結局ここまでの活動はすべて投資に回すための資金作りです。
米国は2%〜4%のインフレでお金の価値はどんどん減っています。
年間7~8%の株価の伸びがあり、お金を増やすことができる。そしてこの伸びがあるからこそ、実はFIREが早いほど必要な資金が低いとも言えます。
いつFIREできるのか?
FIREに必要な資金を考える上で有名な話がトリニティ・スタディというレポートです。この研究結果によれば、資金が30年間持続するためには、年間支出の25倍の資産貯めておき、引き出し率4%であれば良いという結果があるようです。(引き出し率とは、全体の資産を毎年取り崩す割合のこと)
30年という数字の根拠は60歳で退職した人が90歳まで生きるという退職後の生活資金という点にフォーカスがあたっているデータであるためです。
どうして4%の引き出し率で資金が持続するのかというと、前提として米国市場に投資していた場合、このデータを集計した期間の市場の伸びが平均7%あったためです。
この引き出し率が4%になるような資産があれば、FIRE出来るということになります。引き出し率というのは面白い考え方で、生活コストを抑えれば、全体の資産は少なくて済みますし、逆に支出が多い場合は、それだけ資産が必要になります。
そして、支出を減らすと、収入を増やすは両輪ですが、収入を増やす方がはるかに効果が高いという話になります。
日本で同じことが実践できるのか?
やはり元はアメリカで書かれた本なので、そのまま数字を当てはめて実践することは難しいと思いますが、考え方としては共通しているので、取り組むことが出来ると思います。
ただ株式投資について、この書籍では米国市場を前提に平均7%の株価の伸びを前提となっています。日本人が実践する場合に、日経平均に投資したところで平均7%もの成長は得られないので、米国市場に投資することになると思います。
そうなると、為替の影響や、米国における配当金の二重課税の問題などもありますので※、必要な資産や、運用方法などはカスタマイズが必要になると思います。
まとめ
今回は大まかに書籍で紹介されているFIREまでの流れを紹介しました。詳しい実践手順やさまざまなエピソードも参考になりますので、将来的にお金の不安がある方こそ、是非読んでほしい本だと思います。
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