投資信託やつみたてNISAの中でもeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、いわゆるオルカンを目にしない日はありません。
そういう私も2019年のつみたてNISA開始時からこちらの銘柄につみたてており、改めて詳しくどういう銘柄なのかを調べてみることにしました。
ちなみにこの銘柄については、目論見書の内容を詳しく読み込んだ内容に、私なりの解釈をつけたものですので、正確な内容は目論見書を見て頂くのが一番いいと思います。(目論見書を見るのに慣れましょう!)
基本情報
まずは基本情報から見ていきます。
銘柄名 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) |
---|---|
運営会社 | 三菱UFJ国際投信 |
純資産額 | 1693億円 |
管理費用(含む信託報酬) | 0.1144% |
※2021年5月12日時点
こちらの銘柄は、楽天証券で確認したところ、人気ランキングにおいて、全世界対象の投資信託で1位、全投資信託銘柄の中で2位という人気になっています。
全世界の構成比率は?
国別の比率
交付目論見書から引用
このように約58%がアメリカに投資されています。全世界といいながら、かなり偏った銘柄ですよね。これは連動するMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス指数が時価総額加重平均(時価総額が大きい銘柄ほど多く取り入れられる)ためで、米国市場の時価総額が他の国にたいして相対的に大きいのが理由です。
もし他に複数の投資銘柄を含める場合、米国株を重ねると思ったよりも米国に偏りすぎることになりますので、知っておいた方が良さそうです。
含まれる国
先進国地域
アメリカ | ベルギー | スウェーデン |
日本 | アイルランド | 香港 |
イギリス | イスラエル | デンマーク |
フランス | ノルウェー | スペイン |
スイス | ニュージーランド | イタリア |
カナダ | ポルトガル | フィンランド |
ドイツ | オーストリア | シンガポール |
オーストラリア | オランダ |
新興国地域
中国 | ペルー | メキシコ |
台湾 | ハンガリー | インドネシア |
韓国 | コロンビア | カタール |
インド | ギリシャ | フィリピン |
ブラジル | アルゼンチン | ポーランド |
南アフリカ | エジプト | アラブ首長国連邦 |
ロシア | チェコ | チリ |
サウジアラビア | パキスタン | トルコ |
タイ | マレーシア |
全世界株式を選ぶメリット
国際分散投資が効いている
世界中の株式に投資することができる点において、これ以上の分散投資はないでしょう。通常の銘柄であれば、一つの会社や一つの国の成長を期待する投資になりますが、全世界であれば、世界の経済が成長することに期待する投資とも言えそうです。そして、現在の資本主義経済を信じるならば、今後も長期的に成長する可能性は高そうです。
放置しやすい
今後例えば、米国市場が低迷し、中国などの新興国の株価が大きく伸びるというケースでも、この銘柄であればポートフォリオを入れ替えずに済みますので、比較的放置しても運用しやすい点が挙げられます。つみたてNISAなどは最大で20年間投資期間がありますので、全世界株式であれば、どの国がコケても or 成長しても、地球規模でみれば、経済は成長するよね?という安心感はあると思います。
全世界株式を選ぶデメリット
全世界株式の場合は、株式パフォーマンスの悪い国に対しても投資対象としているので、そういった国への投資が非効率的である可能性もあります。実際に、過去10年間のパフォーマンスをみれば、米国市場に集中していた方がパフォーマンスが良かったという結果もあります。
他の投資信託と比較してどうなのか?
S&P500と比較
米国の主要株式指数に連動する投資信託であるeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とパフォーマンスを比較してみます。
青の線がS&P500ですが、ここ2年でみるとS&P500インデックスのパフォーマンスが良さそうです。
また、2020年3月のコロナ暴落において、全世界株式も同程度下落していて(ディフェンシブ性はなさそう)、その後の回復力で差が出ているので、これだけみれば全世界に対して米国市場がより力強い値動きをしているのが分かります。
全世界(日本除く)と比較
eMAXIS Slim全世界株式には日本を除くパターンもありますので、そちらとも比較してみます。薄い緑が日本を除くなのですが、
日本を除くの方がパフォーマンスが良さそうです。
ちなみに管理費用も比較しておきます。
銘柄 | 管理費用(含む信託報酬) |
eMAXIS Slim 全世界株式 | 0.1144% |
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | 0.1144% |
はい、一緒ですね。
この2つを見比べると、日本を除くを選択した方が良さそうです。日本人としては、株式投資に日本を含めない方がパフォーマンスがいいというのは、なんとも悲しい話ですが、現状の日本を考えると致し方ないのかもしれません。
結局投資対象としてはありなのか?
あり中のありだと思います。ただ、株式投資って人によって考え方が異なりますので、正解もまた変わってきます。ある人にとっては全世界株式100%がいいかもしれませんし、ある人にとっては買わない方がいいかもしれません。
全世界株式は以下のような方に向いているのかなと思います。
・株式投資を完全に放置したい方(どの国が成長しても株価の伸びが期待できる)
・米国一極集中には不安を感じる方
・つみたてNISAで購入する方
私の場合
個人的な意見ではありますが、今後も世界市場に対して米国市場は非常に力強く成長すると考えていますので、全世界株式をメインにするというよりは、S&P500などの米国市場を中心にした投資信託をメインにした方がパフォーマンスはよいかなと考えています。
実際に私はつみたてNISAも以下のような設定をしています。
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全米株式)):28,333 円
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):5,000円
全米タイプは、米国で購入可能な株式すべてに投資タイプの投資信託です。
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