米国でインフレ加速が懸念!金利とハイテク株になぜ影響があるのか?

米国でインフレ加速が懸念!金利とハイテク株になぜ影響があるのか?

2021年4月発表の米国の消費者物価指数が予想よりも高かったというニュースがありました。
(消費者物価指数(CPI)がそのままインフレ率を表すわけではありませんが、インフレを判断する重要な指標となっています。)

今回は「インフレが進行すると、株式市場にどのような影響があるのか?」を自分なりに情報を整理したいと思います。

※自分の情報整理も目的の一つなので、ここ間違ってるよ!というのもがあれば、是非ご指摘下さい!

何が起こったのか?

まずはサマリーです。

  • 消費者物価指数の前年比の伸びが予想3.6%に対して4.2%と上回った。
  • これをうけて金利が上昇
  • ハイテク株を中心に株価が下落

消費者物価指数は、モノやサービスの価格の変化を指数として表したもので、前年比の伸びがインフレを見る指標として見られます。

US_CPI_総合_前年比
US_CPI_総合_前年比

米国ではインフレ率は2%を目標にしてきましたが、今回はCPIが4.2%と大幅に上昇した形です。ただコロナの影響で、FRBは23年末まで金融緩和を継続する方針を示しており、ある程度インフレ率の上昇は許容されている状況のようです[1][2]。

インフレ率が上昇すると金利が上昇するのはなぜ?

インフレが起こると金利が上昇するのはどういうことなのでしょうか?

インフレが起こると、将来同じ商品を買う場合に多くのお金が必要になります。これは見方を買えるとお金の価値が下がっていると考えられます。インフレが起こると将来のお金の価値は下がるということになります。

さて、金利は将来受け取ることができるお金の価値を現在価値として反映する性質がありますので、将来のお金の価値が下がるのであれば、金利を上げて、将来多くのお金を受け取る必要が出てくるので、金利は上昇する方向に動きます。

これがインフレが見込まれると金利が上昇するというロジックです。

金利が上がるとハイテク株が下がるのはなぜ?

金利が上昇したとこで、ハイテクグロース株(いわゆるハイグロ株)が下落しています。これはなぜでしょうか?

株式益回りの観点

まず、ハイテク株の期待リターンはPERで表されますが、その逆数をとることで、益回りとして利率を求めることが出来ます。そして金利が上昇(国債金利の上昇)すると、あえてリスクが高く、高PER(低益回り)のハイテク株を持つ魅力が薄れ、売られることになります。

割引現在価値の観点

ハイテク株の期待リターンは割引現在価値で求められます。金利が上昇すると、将来の時点に対して現在の理論株価は低くなることになるので、売られる要因になります。

米国市場は過熱気味?

さらにコロナ以降、ハイテク株は大きく上昇し過熱感もありましたので、過熱感を警戒する売りも重なったのではないかと思います。

一方でグロース株は元々PERが低い(益回りは高い)ので、売られる要因はハイテク株に比べて小さいということになります。

金利上昇に強い銘柄はどれ?

金利上昇と景気回復期待から以下のような銘柄の上昇が期待されます。

・金融:銀行、証券
→金利上昇で利ざやが大きくなる

・景気敏感株(景気循環株):鉄鋼、化学、機械、海運
→インフレ率の上昇は、将来の経済の成長の期待でもありますので、景気回復期待からこれらの銘柄が買われます。

・エネルギー
→コロナ後の景気回復

まとめ

今回は、今の米国市場ってどういう動きをしているのか?という後付けでの解釈した記事ですので、今後の経済動向を予測するというわけではありませんが、金利がどのように動いていくのか?については引き続き注視していく必要がありそうです。

[1]・・・FRB、23年末までゼロ金利維持 物価は年内2%突破へ(日本経済新聞)
[2]・・・ウォラ-FRB理事、「一時的」なインフレ2%超えは22年末まで継続も(ブルームバーグ)

【参考】
金利上昇で上がる株・下がる株。成長株、景気敏感株、金融株が動く理由(トウシル)

関連するメディア

Twitterでは、投資や節約など資産形成に役立つ情報を発信しています。