昨今、持ち家か賃貸か?という議論をよく見かけます。そしてその結論として賃貸がお得!という話になっているものも多いのですが、持ち家だからこそ得した一つの事例を紹介したいと思います。
これは以前から古い付き合いのあるT氏の話です。
T氏は、大手メーカーで働く40代の会社員。結婚して子供が生まれ、都内の駅直結型の新築マンションを購入しました。
購入した話を聞いた時は、新築マンションということで、損だと思うけどよく買ったなと感心したのを覚えています。(よく新築マンションは購入した瞬間に2-3割ほど資産価値が減ると言われています。)
それから2年ほど経ったある日、T氏は仕事の関係でシンガポールへの駐在が決まりました。シンガポールへの駐在では、現地の家賃は会社の負担となります。
買ったマンションをどうするのか聞いたところ、どうやら賃貸に出すということでした。築2年の駅直結型の新築マンションということで、その話からすぐに借り手は決まったようで、しかも家賃はローンを返しても十分にお釣りがくる金額です。
このケースでは、家を購入して住宅ローンという負債を抱えた状態から、家を賃貸に出すという過程を経て、実質不動産投資と同じ状況が生まれているということになります。
駐在での現地滞在費は会社負担ということなので、実質タダでマンションが手に入ったようなものですよね。
T氏の計画では、そのマンションは駐在が終わってもそのまま賃貸に出したままで、別の場所で自分たちの賃貸を借りて、老後にそのマンションに済む計画だとか。
今回のケースでは、もしT氏が家を購入せずに賃貸のままだとしたら、ただ単に駐在に行ったというだけで、マンションは手に入っていません。もしかしたら駐在を見越してのマンション購入かもしれませんが、それにしてもうまくやったなぁという印象です。もちろん先のことはわかりませんが、都心で駅直結という立地を考えれば、賃貸の需要は高そうです。
お金の話は一般論で◯◯にすべき!という論調はよくみかけますが、一つの結論をすべてのケースで当てはめるのは強引であり、個別のケースでどちらが最適なのかはよく考えないと行けないなと改めて考えさせられたケースでした。
※住宅ローンは原則として賃貸の目的で借りることはできません。賃貸目的になる場合には、契約内容によっては一括返済が求められる場合もあります。今回のように海外駐在のようなやむを得ない事情があれば、銀行との交渉次第で継続して住宅ローンを利用できる場合もあるようです。このあたりの事情に詳しい方がいらっしゃいましたら、是非コメント頂ければと思います。
※この話は、真実性を保証するものではありません。フィクションとしてお楽しみ頂ければと思います。