第7回:ポートフォリオを組もう(分散投資の3つの重要な考え方)

第7回:ポートフォリオを組もう(分散投資の3つの重要な考え方)

株式投資では、ポートフォリオという考え方が重要です。今回はポートフォリオ管理で重要な分散投資の考え方について紹介したいと思います。

ポートフォリオがなぜ重要か

ポートフォリオとは、資産構成のことで、ポートフォリオ管理では、複数の投資商品の組み合わせを考えます。

中でも有名なのが現代ポートフォリオ理論です。1952年にハリー・マコウィッツによって発表された論文を元に研究が進み、その後CAPMへと発展しました。(現代という名前ですが60年前の理論です!)

この理論では、つまるところ分散投資すれば、リスクを抑えることが可能であり、投資資産の組み合わせによってリターンを高めることが可能ということをいっています。

つまりポートフォリオ管理では、分散投資を行うことが基本的な考え方になります。

分散投資の3つの重要な考え方

それでは分散投資を行う上でどのような考え方をするべきかを紹介します。その上で、まずは金融資産におけるリスクの考え方を抑えておきましょう。

リスクとは

株式投資でいうリスクとは、価格変動が起こる確率のばらつき(分散と標準偏差)を表します。つまりリターンの振れ幅が大きい場合もリスクが大きいとみなされます。

次に3つの観点で分散投資の考え方を見ていきます。

分散投資の考え方①:銘柄を増やす

一つが銘柄を増やすとリスクを減らすことが出来ます。

仮にA社に投資していて、株価が半分になったケースを想定してみます。

例:300万円を投資するケース

A社のみに300万円投資する場合:
→A社の株価が半分になると、資産は150万円と半分に

A社、B社、C社の3社に100万円ずつ投資する場合:
→A社の株価が半分になっても、資産は250万円と損失を減らすことが出来た。

このように銘柄数を増やせば、1銘柄あたりのリスクを減らすことができます。

では、銘柄数を無限に増やせばリスクはなくなるのでしょうか?

実は、リスクの低減効果にも限界はあります。分散投資で減らせるリスクは1企業の持つリスク(非システマティックリスク)のみで、市場全体のリスク(システマティックリスク)を減らすことは出来ません。

分散投資の考え方②:違う値動きの銘柄を選ぶ

分散投資といって、やたらめったらに銘柄を増やせばいいというものではありません。

分散投資では、銘柄同士、資産同士が別の値動きをする銘柄を組み合わせると効果が大きくなります。

例えば、以下の例では、あるリゾート地における、リゾート企業と傘メーカーの分散投資を考えてみます。雨の日と晴れの日が半分ずつの場合、どちらの企業に投資しても、リターンは12.5%となります。しかし実際には、雨の日と晴れの日を予測するのは困難です。

そこで、両方の企業に50%ずつ投資したとすると、雨の日も晴れの日も安定して12.5%のリターンを出すことが出来るようになります。

このような銘柄の値動きの関係は相関件数で表されます。相関件数が+1の場合は、全く同じ値動きを、逆に-1の場合は全く逆の値動きをすることになります。

相関件数において、-1に近づくほど、分散の効果は大きくなります。

分散投資の考え方③:リスクとリターン

投資手法の中には、分散投資以外にも集中投資と呼ばれるものもあります。

集中投資では、リスクが大きくなりますが、それはすなわちリターンを得る可能性も大きくなります。(リスクを取れば必ずしもリターンが大きくなるわけではありません)

リスクとリターンは表裏一体の関係になります。

どちらを選ぶかは、投資家の考え方次第ではありますが、多くの方にとっては、分散投資が最適である確率は高くなります。集中投資では、1〜5銘柄程度の少数の銘柄に集中投資します。大きいリターンを狙う一方で、銘柄の選択力が問われます。

年金は分散投資で運用されている

我々の年金の資産運用を行っているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、分散投資の考えに基づいて運用されており、2020年末で85.3兆円もの莫大な運用益を上げています[2]。

そのGPIFは、以下のような分散投資を行っています。

・国内株式
・国内債券
・外国株式
・外国債券

毎年の成績を見ると、4つを対象に分散投資されたものを見ると、1位は当てられないが、5位にもなっていないというように、大きなリスクを回避出来ているのがわかります[3]。

引用:分散投資の意義①1位になる資産は当てられない(GPIF)

このように資産を種類を分散する方法が、効果のある一つの方法であることがわかります。

さまざまな資産の種類

資産の種類には以下のようなものがあります。

・個別銘柄
・ETF
・金・銀(ETF含む)
・国債(ETF含む)
・ビットコイン

また、国際分散投資の観点から以下のようなグループ分けがなされることが多いです。
・日本国債
・新興国債権
・先進国債権
・日本株式
・新興国株式
・先進国株式

まとめ

米国株でポートフォリオを組むというテーマのシリーズですが、まずはポートフォリオの考え方の全体像を掴むことが重要です。米国株だけでポートフォリオを組む場合には、見方を変えれば、米国株に集中投資しているとも考えることが出来ます。

ポートフォリオに関しては、正解はありませんので、最終的にはご自身で試行錯誤しながら最適な投資方針を見つけて頂ければよいかなと思います。

[1]・・・ウォール街のランダムウォーク(バートン・マルキール)
[2]・・・年金積立金管理運用独立行政法人
[3]・・・運用資産額・構成割合(年金積立金全体)(GPIF)

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