PSR(株価売上高倍率)とは?使い方、割高、割安の評価方法

PSR(株価売上高倍率)とは?使い方、割高、割安の評価方法

本日は株式指標の中でもPER、PBRと同じ様に注目されているPSRという指標について整理していきます。

PSRとは?

PSRとはPrice to Sales Ratioの頭文字をとったもので、日本語では株価売上高倍率と呼ばれます。
PSRは以下の計算式で表します。

PSR = 時価総額 / 売上高

また、これを1株あたりに直すことで、

PSR = 株価 / 1株あたりの売上高

で表すことができます。

PSRとはどういう時に使う?

一般的に、PSRは小型成長株の割高、割安を判断される場合に利用されます。

例えば、スタートアップのような企業の場合、売上高が伸びる一方で、得られた利益をさらに事業投資に費やすことで、赤字が続く場合が多くあります。この場合、従来のPERといった指標の場合、

PER = 株価 / 1株あたりの利益

といった式で表されますので、利益が少ないことで、極端にPERが高かったり、赤字の場合PERが計算できないといった問題があります。

PSRであれば、利益を事業投資に使ったどうか(赤字かどうか)関係なく、売上のみで評価できるため、成長著しいIT企業などの評価で用いられます。

PSR、PER、PBRの使い分けは?

PSR、PER、PBRの3つの指標はそれぞれ、

PSR:時価総額 / 売上高
PER:時価総額 / 純利益
PBR:時価総額 / 純資産

で表されます。企業の会計を考えた場合、売上が上がって、利益が生まれ、純資産が蓄積されるという流れとなりますので、売上を指標とするPSRは、企業のお金の中でも、先行性を表す指標であると考えられます。

PSRの割高、割安

PSRは1倍以下で割安、20倍以上で割高などと言われることもあります。しかしPSRをそのうな決まった数値で評価するのは危険です。PSRは市場(日本やアメリカ)や業種(ITかそれ以外か)、時期(2020年など)によって数値の妥当性は変わってきます。

一番妥当性が高いのは、同じ市場と同じ業種で比較するのが一番有用性が高いように思います。

さらにより妥当な評価をするためには、同業種で似たような商品やサービスを扱う企業と比較したほうが、より正確に株価の割高、割安を評価できます。仮に比較する2社が、PSRが仮に同じ倍率(時価総額と売上の比率が同じ)であったとして、利益に差があれば、利益の大きい方(PERが低い方)が割安であると考えることもできます。

小型成長株の場合、売上がまだ伸びていないにも関わらず、会社の成長期待により、株価が高い場合に、PSRが非常に高くなる場合があります。このような場合、売上に対して株価が高すぎるという見方から割高であるという見方もされます。

PSRは、どんな企業の評価もできる万能薬ではなく、使い方をよく理解して、他の指標と組み合わせながら使うことでより効果的に活用することができます。

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