SBI Vシリーズの仕組みやETFと比較、おすすめなのか?

SBI Vシリーズの仕組みやETFと比較、おすすめなのか?

2021年6月15日よりSBI証券より新たに投資信託の商品としてSBI Vシリーズが登場しました。

実はこれ、従来の同類の投資信託と比べても非常に手数料が抑えられていますので、米国株に投資をしている方は是非チェックしたい投資信託です。

この記事ではVシリーズの紹介と、仕組みやETFとの比較を紹介、はたしておすすめできる商品なのかどうかを解説しています。

SBI Vシリーズとは?

従来SBIバンガードと呼ばれた投資信託の商品の事で、「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」はSBI証券でも非常に人気のある投資信託です。

今回名称が変更になる理由としては、こういう事情があるからのようです。

変更の理由は、バンガード社の日本ビジネスからの撤退に伴い、バンガード社が保有する商標の継続利用が困難となったためです。

ただし商品の内容自体が変わるわけではないようです。

商品ラインナップ

今回は名称がSBI・バンガードからSBI Vシリーズに変更になると共に、新たに2つの商品が加わることになります。

・(改称)「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」
・(新設)「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」
・(新設)「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」

銘柄 運用管理費用
(信託報酬)
実質投資対象
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 年0.0938%程度 VOO
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド 年0.0938%程度 VTI
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド 年0.1238%程度※ VYM

SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

バンガード・S&P500ETF(VOO)を通して、S&P500指数(円換算ベース)に連動する成果を目指す投資信託です。

S&P500とは、米国を代表する株式指数の一つで、ニューヨーク証券取引所、NASDAQに上場する代表的な500社の銘柄からなる株式指数です。

S&P500は時価総額加重平均で算出されていますので、時価総額が大きい銘柄程、多くの比率が取り入れられることになります。

いわゆる世間でインデックス投資と呼ばれるファンドの代表格といえます。

円換算ベースで、為替ヘッジはありませんので、為替の影響を受けます。つまり、円高になれば基準価格は下落し、円安になれば、基準価格は上昇します。

ちなみに楽天証券の投資信託でも人気上位のS&P500のインデックスファンドであるeMAXIS Slim米国株式(S&P500)と比較しても、手数料がわずかに低くなっています。

銘柄 運用管理費用(信託報酬)
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 0.0938%
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 0.0968%

SBI・V・全米株式インデックス・ファンド

バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)を通して、CRSP US トータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)に連動する成果を目指す投資信託です。

CRSP US トータル・マーケット・インデックスはいわゆる全米タイプで、大型株から小型株まで、米国に上場する4000社の銘柄からなる株式指数です。

米国市場で投資可能なほぼ100%をカバーしています。

円換算ベースで、為替ヘッジはありませんので、為替の影響を受けます。つまり、円高になれば基準価格は下落し、円安になれば、基準価格は上昇します。

全米株式では、楽天・全米株式インデックスファンドが人気です。実質的に運用内容は同じですが、手数料ではVシリーズに軍配が上がります。

銘柄 運用管理費用(信託報酬)
SBI・V・全米株式インデックス・ファンド 0.0938%
楽天・全米株式インデックス・ファンド 0.162%

SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド

バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)を通して、FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス(円換算ベース)に連動する成果を目指す投資信託です。

FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスは、米国株の中で、高配当銘柄からなる株式指数です。

実質投資対象のVYMの構成銘柄を見てみると上位10社は以下のようになっています。

ティッカー 銘柄名
JPM JPMorgan Chase & Co.
JNJ Johnson & Johnson
HD Home Depot Inc.
PG Procter & Gamble Co.
BAC Bank of America Corp.
CMCSA Comcast Corp.
XOM Exxon Mobil Corp.
VZ Verizon Communications Inc.
INTC Intel Corp.
T AT&T Inc.

分配金はなし

実はこのSBI・V・米国高配当株式は基本的に分配金はありません。

えっ、高配当なのにどういうこと?

と思われるかもしれませんが、実はこの銘柄では配当はファンド内で再投資されています。そして投資信託で再投資される際には、分配金に税金がかかりませんので、再投資の効率が高いということがあげられます。

高配当株とS&P500はどちらがパフォーマンスが良いのか?

SBI・V・米国高配当株式はまだ登場していないので、S&P500と比較することはできませんが、楽天に同じようにVYMに投資する楽天・米国高配当株式インデックス・ファンドというのものがあります。

こちらをS&P500のインデックスファンドと比較すると、S&P500の方がパフォーマンスが良いようです。

配当金が欲しいのか、資産を最大化したいのか

S&P500かVYMを選ぶか、資産の最大化を目指すか、配当金の受け取りを目指すかという違いになります。

そう考えるとSBI・V・米国高配当株式は、配当金がでない上に、資産の最大化を目指す上でパフォーマンスはS&P500より高くないという、微妙な位置づけということになるかと思います。

ETFで直接購入することとの違い

VYMかSBI・V・米国高配当株式という話のように、投資対象のETFを直接買うことと何が違うのでしょうか?

ETFを直接買うことと投資信託で買うことの魅力を比較してみました。

  投資信託 ETF
購入単位 100円以上1円単位 1株単位
つみたてNISA
手数料 高い 安い
分配金 内部で再投資 米国・日本で課税

手数料の点で、直接投資するETFには及びませんが、投資単位の小ささ、つみたてNISAへの対応、配当の内部再投資といった点で、投資信託は魅力的です。

一方で、高配当株投資で配当を受け取りたい方などは、SBI・V・米国高配当株式ではなく直接VYMを選んだほうが良さそうです。

他の同種の投資信託と比較

楽天証券で取り扱いのある、楽天・バンガードと比較してみます。

  SBI・Vシリーズ 楽天・バンガード
S&P500 年0.0938%程度 なし
全米 年0.0938%程度 年0.162%(税込)程度
高配当株式 年0.1238%程度 年0.192%(税込)程度

このようにSBI・Vシリーズが同等の投資内容に対して手数料が抑えられているのがわかります。

結論

結論としては、SBI・Vシリーズは非常に優秀です。

特に、

・SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
・SBI・V・全米株式インデックス・ファンド

は手数料において、非常に優秀です。新規でS&P500や全米タイプの投資信託の投資を始める方にはおすすめできます。

・SBI・V・米国高配当株式

も手数料の点では優秀なのですが、そもそも高配当株式で配当を受け取れないという点で、投資対象としては少し微妙かなという結論です。

私は楽天証券で

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
楽天・全米株式インデックス・ファンド

をつみたてNISAで積立投資していますが、SBI証券に乗り換えたり、設定を変更するほどの差はないと考えていますので、現状の設定を維持する予定です。



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