最近は金利の上昇とあいまって、景気敏感株が注目されています。
今回は景気敏感株について、紹介したいと思います。
景気敏感株とは?
景気敏感株は、景気動向によって業績が変動しやすい銘柄を指します。
景気が回復傾向になると、企業は設備投資を増やしますので、これらの企業の業績は向上しますが、反面景気後退局面では在庫を減らす方向に動くため、設備投資は減り、企業の業績も後退します。景気敏感株の銘柄が扱う素材や設備などは、景気が回復し、需要回復が見込まれる局面で、一番最初に買われますので、景気の先行指標という側面があります。
他にも「景気循環株」や「シクリカル銘柄」とも呼ばれます。
- 鉄鋼
- 化学
- 紙パルプ
- ガラス土石
- 非鉄
- 金属
- 繊維
- 石油石炭
- ゴム
- 鉱業
類似する言葉としてディフェンシブ銘柄というものがありますが、こちらは景気の影響を受けにくい銘柄のことをいいます。
金利が上昇すると景気敏感株は上がる?
景気敏感株は、金利上昇に強いと言われています。
株式の期待リターンはPERで表されますが、PERの逆数をとることで益回りとしての利率を求めることができます。金利が上昇(国債金利の上昇)すると、ハイテク株などの高PER(低益回り)株を持つ魅力が薄れ、売られることになり、相対的に低PER(高益回り)のバリュー株や景気敏感株が買われることになります。
ただし、実際には金利が上昇しながらハイテク株も上昇することもあるので、一概にそうであるといい切れるものでもありません。
ちなみに景気循環によって、金利の動きと買われる株式のセクターは循環しており、これはセクターローテーションと呼ばれています。
景気循環別セクターの特徴
引用:Sector investing using the business cycle
海外での表現と日本での表現を対比すると以下のような形になります。
- Early-cycle phase→回復
- Mid-cycle phase→好況
- Late-cycle phase→後退
- Recession phase→不況
それぞれの景気循環に応じて強いと言われているセクターも存在しています。国内の米国株系のブログを色々と見てみましたが、含まれるセクターにばらつきがありましたので、海外サイトの情報をベースにしています
- 回復(初期):金融、資本財、一般消費財、不動産
- 好況(中期):情報技術、通信サービス
- 後退(後期):エネルギー、素材
- 不況:生活必需品、公共事業、ヘルスケア
ただし、あくまでも傾向として見るべきで、この分類に依存しすぎるのは良くないと思います。
実際、2021年5月現在は金利上昇を伴う、景気の回復局面に差し掛かっていますが、主に伸びているセクターは、金融、エネルギー、素材などです。どのセクターが伸びているかはその時の状況に応じて見ていく必要があると思いますが、金利や景気の状況に応じて伸びるセクターは変わっていくという点は把握しておくべきだと思います。
結局インデックス投資がいい?
ここまで景気敏感株について紹介してきましたが、そのようなローテーションの機微を察知して戦略を買えていくのは素人の個人投資家には厳しいと思いますので、景気循環株もハイテク株も含んでいるインデックス投資が結局は楽で最強なのかなと思います。(それを言っちゃおしまいよ。。。)
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