第2回 米国株投資に潜むリスク【はじめての米国株】

第2回 米国株投資に潜むリスク【はじめての米国株】

株式投資には、次の3つのリスクがあると言われています。

・市場リスク
・信用リスク
・流動性リスク

このほかにも、為替リスク、地政学リスク、金利リスクなど、株式投資には様々なリスクが潜んでいます。米国株で特に知っておくべきリスクについて紹介します。

市場リスク

市場の動きによるリスクで、会社の業績だけでなく、為替や金利など市場全体の影響をうけて価格が変動するリスクです。2008年のリーマンショックでは、企業の業績に関わらず市場全体が大きく低迷しました。一企業の価格変動のリスクは分散投資で取り除くことができますが、市場リスクは分散投資でも取り除くことは出来ません。

また第1回でも紹介したように、米国は人口増加に加えて、過去200年株式市場は波がありながらも伸び続けた実績はあるものの、あくまで過去の実績であって、将来を約束するものではありません。

価格変動リスク

市場における様々な要因で株価が変動するリスクです。株価は絶えず様々な要因で上下しており、元本割れで損失を被る可能性があります。

金利リスク

株式価格において、金利の影響は非常に大きいです。金利では特に米国債10年の金利がよく見られます。金利が上昇することで、相対的に株式の魅力が薄れ、株式価格が下落するようなことがあります。様々な経済指標の中でも、金利の動きは注目する必要があります。

為替リスク

為替リスクも市場リスクの一部です、ドル円の為替レートが変動することで、保有する米国株の価格が変動します。

すでに米国株を保有している場合、円安になるとプラス、円高になるとマイナスの要因になります。逆にこれから米国株を買おうとしている方であれば、円高が進行すると、多くのドルを買うことができるので、より割安に米国株を買うことが出来ます。

  円安 円高
保有株評価 プラス マイナス
新規購入 マイナス プラス

カントリー・リスク

米国においては、周辺各国とのトラブルも多いので、その地理的、政治的影響をうけて、市場価格が変動する場合があります。

とくに中国との取引においては、取引規制や関税上昇、中国企業の上場規制など、実際に影響を受ける場面も多いので、中国関連の企業や、中国製品を取り扱っているような企業に投資する場合には注意が必要です。

信用リスク

取引先などの経営難などにより、債務不履行になる場合のリスクです。債務不履行になるリスクはデフォルトリスクとも言われます。財務的に存続が難しそうな会社に投資する場合には信用リスクが大きくなります。

ほかにも取引先が契約を履行できなくなる可能性を表す、カウンターパーティリスクなどがあり、デリバティブ取引などではこのリスクが価格に織り込まれます。売上の大部分が1社の取引先に依存しているような会社なども注意が必要です。

リスクにどう向かうのか?

株式投資はリスクがあるからやりたくないと考える人もいます。しかし、人生は実はつねにリスクとリターンの隣り合わせです。

人生とリスク

我々の人生を振り返ると、実は常にリスクとリターンの折り合いをつけながら生きていることに気が付きます。

例えば、海外旅行に行く場合を考えてみると、新しい景色や人との出会いなど計り知れないリターン(この場合は金額ではなく、満足度)が見込まれる一方で、怪我や盗難などトラブルにあうリスクはあります。人によっては海外は怖いから辞めて、よりリスクの少ない国内旅行にしようという人もいると思います。とはいえ国内旅行にも交通事故などのリスクがないわけではありません。

つまり我々は普段の生活でもリスクとリターンを自分の中で折り合いをつけながら生活していることになります。

リスク許容度は人によって異なる

リスクとリターンは密接に関係しており、その考え方や受け入れる程度は人によって完全に異なります。

リスクとリターンを厳密に数値として見極めるのは難しいですが、自分がどこまでのリスクを許容できるかによって、投資戦略も変わってきます。

リスクを減らす様々な方法

リスクを減らす最もポピュラーな方法は分散投資です。

分散投資は複数の資産の種類を組み合わせることで、リスクを減らすことが出来ます。

リスクを減らすとリターンも減るのが一般的ですが、リスクを抑えながらいかにリターンを維持できるかは、様々投資方法が研究されており、ここはある意味投資の醍醐味とも言える部分です。

リスクとリターンの効率性はシャープレシオで表されます。こちらは別の記事で紹介しています。

分散投資については、現代ポートフォリオ理論やCAPMなど様々な研究があります。

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